03.許してください ページ5
あの後、私の個性によって怪我をした子は、病院に運ばれた。
症状は凍傷だそうで、長時間氷に包まれていたせいか、足の所々に痣のように青黒く染まっているところがあった。
家に帰ってみると、玄関に父がいて、その顔は個性のせいなのか、真っ赤になっていた。
｢A、お前はなんて事をしてくれたんだ。｣
父は静かに怒っていた。
『ご、ごめん、なさい。でも、話を聞いて…』
｢お前から話を聞くことなんてない！お前はこの家の恥晒しだ！｣
『違くて、あの、』
｢何が違うんだ！！お前のせいで俺の名に傷がついたんだぞ！！｣
『だから違くて…』
そこから先は言えなかった。
決して声が出せなかったとかそんなのではなかった。
”バシンｯ”と頬を打たれた音がする。
『いった…。お、お父さ、』
ゲシッ、ビシッ、バシッと蹴られる音が部屋に轟く。
｢お前のせいで、お前のせいで…！｣
『お父さん、やめて！いた、いよぉ…！』
父は私のことをなりふり構わず蹴ってくる。
痛くて涙がポロポロ出てくる。
瞬間、腕がジュワッと、燃えているかのように熱くなる。
みると、父の個性で私の腕は焼かれていた。
『ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ!!!熱い！熱いよ！やめてぇ！お父さん！！！』
そんな声は父には届かずに終わる。
父は相も変わらず、私の腕や足や、首や肩を焼いてくる。
痛くて痛くて仕方がない。氷なんかよりも、よっぽど痛いのだろう。
父にやられた所は黒くなっていた。
｢ふん、次やったらこれ以上酷いことをするからな。覚悟しておけ。｣
『あ…。お、とぅさ、待っ、』
これ以上酷いことがあるのだろうか。
あの時の父は、まるでヴィランを退治しているかのような目で私を見ていた。
怖かった。
その後、私の泣く声を聞いた兄と姉と、それから母が病院に連れていってくれた。
私はその病院に入院することになった。
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紺野 蛙 - ツイッターフォローさせてもらいました！！ この作品好きなので頑張ってください！ (2018年8月7日 9時) (
レス) id: 0d99914836 (このIDを非表示/違反報告)
錐 - あのすみません兄弟ものだったら轟君のタグつけた方がいいと思います そしてこの作品も面白い (2018年8月4日 10時) (レス) id: d8fc200821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナタデココ | 作成日時：2018年7月26日 18時
