30話 ページ31
あれからちょくちょくマルコと街に出かけている。トロスト区の復興作業も順調なようで、商人や街の人が多くいるのを見かける。復興作業の手伝いなのか、調査兵団や訓練兵も増えたのは難点だが。
兵長やハンジさん、アルミンやハンネスさんには会っていない。きっとエレンの件で忙しいのだろう。
それからもう1つ、気がかりなことが増えた。
ある日の夜、日も落ちてマルコが寝付いた後に、壁外の巨人の調査や巨人くんとの調整を行おうと丸腰で出かけた時。
あのアニが、私達の家からしばらく離れた人目のつかない場所に、ひっそりと倒れているのを見つけたのだ。まだ訓練兵としてもっと内地の方にいるはずの彼女が、真夜中に、こんな端の方にいることに驚いた。
何してるんだ、とそっと近付いたら寝てるようだったけど、目の下にはべっとりと隈ができてて、なんか腕とか足とか擦り傷あって、疲労感が溢れ出たまま警戒なく寝てたから。無防備だなぁ、と思わず連れ帰ってしまった。
ベッドに寝かせた瞬間に飛び起きて突き付けられた立体機動装置の刃は、一般人の少女アピールで収めてもらって。警戒心MAXの子猫を手懐けるため、救急箱を手に手当させてくれと土下座。怪訝な顔して手当を受けてくれて、訓練兵大変だろうけどちゃんと寝てねと労りの言葉をかけて帰してあげた。
ら、なんかそこから偶に夜に家を訪ねてくるようになった。なぜ？？セーフハウス的な？？特に何をしてあげた訳でもないのに、懐かれたようだ。マルコがいるからいつバレるかとひやひやしてるけど、今のところセーフ。
そして今。目の前に金髪の子がいる。誰って？アルミンか？アニか？？
「その怪我、どうしたの？手当しなきゃ！」
「あ、いえ……」
いいえ。正解はクリスタです。ユミルが愛しのクリスタと言う訳である。めっちゃ神々しい。
今日はマルコに立体機動装置のワイヤー部分の複製を頼み、久しぶりに1人で街に出ていた。マルコは器用で細かいのとか得意だから、いずれ立体機動装置を1から作りだすことができるって信じてる。
で、トロスト区のおばさまから今日の食材を買って帰路に着いた時に、路地の角でぶつかってしまったのが彼女。思わず後ろに尻もちを着いてしまい、差し出してくれたクリスタの手を借りようと伸ばした私の腕に、クリスタが目敏く気付いたってワケ。
気付かなくてよかったのにな…。
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mno(プロフ) - 久しぶりにこれだ！私の好きな作品!となることができました。更新楽しみにしてます (2022年11月5日 9時) (
レス) @page28 id: e30673860e (このIDを非表示/違反報告)
むくろ(プロフ) - これは良い作品の予感、更新楽しみにしてます。 (2022年2月9日 17時) (レス) @page25 id: 174613f474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒツギ | 作成日時：2021年8月31日 17時
