27話 ページ28
とりあえず、怪しまれないようあくまで自然に、ハンジさんに協力してもらうことにした。もしマルコと会えたとしても、今の彼は訓練兵の服も着ていなければ、体の弱さを理由に暑さ対策等のマントを目深に被っているため、大丈夫だろう。
にしても……。
「＿それでね、このリヴァイってば……」
「……」
「……」
気まずい。ひたすらに気まずい。
ハンジさんは私が伝えたマルコの特徴を知って、探しながら会話をしてくれている。のだが。
対するリヴァイさんは無言。軽い自己紹介をしても無言。
ハンジさんの調査兵団での話(そんなにペラペラ話していいものなのか？？)でふられても、リヴァイさんは無言。むしろ眉間にシワがだんだん寄ってきている。
私も精一杯ハンジさんと会話のラリーをするのだが、長くはもたなそうだ。
「そういえば、Aさんはお兄さんと2人暮らしなんだよね？ 何か困ったことはない？」
壁内の様子を知っておきたいんだ。
そう言うハンジさんには悪いが、私はつい最近来たばかりでこの辺りの生活がどうなっているか詳しくは分からない。マルコならそういうのに詳しいのだけれど……。
「……そうですね、私も病弱な兄に付き添ってほとんど家の中にいるので、詳しくは分からないのですが、東の方の郊外の作物が、なんらかの原因によって上手く育たないらしいです」
なんでも、何か生き物に食い散らかされたような跡が残っているとか。
これは、マルコから聞いた話だ。東の村で育てられ、こちらの中心街や兵達にも出回る作物が、何者かに食い散らかされているらしい。それも、動物ではなく、それより少し大きいような生き物。
巨人の捕食対象は人間だから、作物は食べないはず。だから疑問なのだという。
「なるほど……。ありがとう、本部に持ち帰って調査してみるよ」
「お役に立てれば幸いです」
上手く会話できたことにひとつ息を吐く。と、その時、
「＿＿＿オイ、」
「っ、！」
いつの間にか視界から消え、私の側に来ていたリヴァイさんが、私の腕を取り、被っているマントを捲っていた。
そこには、私が先日巨人に吹っ飛ばされてできた傷の手当後の包帯やガーゼ。出血量が多いわけでは無かったが、痣やかすり傷、腫れていたりしていたため、マルコが手当してくれたのだ。
「この尋常ではない傷はどうしてできた」
「……」
「テメェは腕だけでなく、首や足にも怪我を負ってるだろ。普通はこんな傷できやしねぇ」
＿＿＿＿何でできた傷だ。
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mno(プロフ) - 久しぶりにこれだ！私の好きな作品!となることができました。更新楽しみにしてます (2022年11月5日 9時) (
レス) @page28 id: e30673860e (このIDを非表示/違反報告)
むくろ(プロフ) - これは良い作品の予感、更新楽しみにしてます。 (2022年2月9日 17時) (レス) @page25 id: 174613f474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒツギ | 作成日時：2021年8月31日 17時
