22話 ページ23
「ただいま、マルコ」
「あ、おかえり！ A！」
周りに人がいないことを確認し、即座に扉を開けて中に入ると、料理でもしていたのか、キッチンに向かうマルコがいた。
振り向いて出迎えてくれるマルコは、まるでわんこのようだ。
買ってきた食料をマルコに手渡すと同時に、名前を伏せて今日アルミンと会ったことを遠回しに伝える。すぐにアルミンだと気づいたようだ。
「へぇ、アルミン……」
「不可抗力で駐屯兵さんにも認知されてしまったから、危ないかも」
マルコは、エレンが巨人化できることを知らない。マルコを安全な場所に移動させた後に、エレンが巨人化したからだ。巨人化が解けるところも見ていない。
だからまだ、そのままでいいと思う。立体機動装置がもう1つ手に入らない以上、マルコは表立って外で活動することは無い。主人公達にも、会うことは無いだろう。
「Aは、これからどうするの？」
マルコが作ってくれた料理を食べていると、彼はそう聞いてきた。あ、ここの料理は簡素で精進料理みたいな味だよ。
「……いつまでもこうやってコソコソ隠れている訳にもいかないし、頃合いを見て調査兵団と接触し、何らかの関わりがもてたらいいなとは思っている」
マルコには、「私が異世界人だという事」を「未来を知る能力を持っている」という言い方で教えてある。だから、これからどんなことが起きるか、そして、私がそれを止めたいということも理解してくれている。
調査兵団と関わりを持ち、リヴァイ兵長やハンジさんなどと一緒に行動すれば、今後の展開にもついていける。
そう伝えると、マルコは困ったような不思議な顔をしたあと、しばし考えて、私を見た。
「うん、分かった。でも、僕に出来ることがあるなら、できるだけ一緒に行動させて欲しい」
「………なんで？」
「僕も、訓練兵だったんだ。守りたいものがあるから、訓練兵になった。………恩人である君を、支えたい」
そう言うマルコは、先日のどこか不安そうで優しげな所とは一転。覚悟を決めた、男の子の顔をしていた。
「分かった。でも、無茶はしないでね」
マルコは、嬉しそうに笑った。
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mno(プロフ) - 久しぶりにこれだ！私の好きな作品!となることができました。更新楽しみにしてます (2022年11月5日 9時) (
レス) @page28 id: e30673860e (このIDを非表示/違反報告)
むくろ(プロフ) - これは良い作品の予感、更新楽しみにしてます。 (2022年2月9日 17時) (レス) @page25 id: 174613f474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒツギ | 作成日時：2021年8月31日 17時
