19話 ページ20
壁の穴が塞がってから数日。あれから、私達には特に何の問題も起きていない。
当初は、1番動きやすい調査兵団に入り、その中で救済を行ったり人類存亡の為に協力したりする予定だった。
が、今から調査兵団に入団するのは時間がかかるし、キャラとの過剰な接触も多くなるだろう。そうなると、私の希望するモブ的立ち位置からは離れてしまう。
簡単なのは、私の実力を認めてもらい早々に入団する事だが、リスクが多く、後々面倒な事が起こるため、今はこの隠れた状態でできる範囲のことをすることにした。
今日も私は買い出しに出かける。この世界では食材の保存方法が良くないので、毎日買い出しに出かけなければならない。
「おじ様、この果物を3つ」
「はいよー！」
商店のダンディなおじ様から夕飯用の果物を買い、ストヘス区へ向かう。あそこはちょっとお高いがそれなりにいいものが売っている。
通貨はマルコが出してくれた。神。
そして、ストヘス区は高級品がある代わりに、路地裏がとても治安が悪い。憲兵団がたまにお仕事をなさっていないので、絡まれることがある。ここでもそうだ。
「よぉ、嬢ちゃん。こんな貴族達のいるとこで何買ったんだァ？」
「俺らにくれよ」
ほらね。典型的な絡まれ方だ。
私は実際15歳だが、この世界の人間からすれば18かそこらに見える。マルコも驚いていた。
だから1番絡まれやすいのだ。前回絡まれた時は憲兵の人が助けてくれたが、その前は自分で撒かなければならなかった。大変めんどうくさい。
「申し訳ございませんが、貴方達にあげられるようなものはありません」
憲兵さんの気配はないし、今回も隙をついて逃げるしかないだろう。
盛大なため息を吐き、スタートダッシュの為に足に力を入れた瞬間。
「よォ、おめぇら。こんなとこで何してんだ？」
「ハ、ハンネス！」
聞き慣れない声が聞こえたと思ったら、男たちの向こう側に、金髪の男性が立っていた。
ハンネスさん。エレンとミカサの馴染みで、駐屯兵の方で、最終的に亡くなってしまう方。
「まぁた呑んだくれてんのか？ とっとと帰れよー」
どうやら男達はハンネスさんに度々面倒を見てもらっていて、しかも今回は酔っていたらしい。しっかりしてほしい。
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mno(プロフ) - 久しぶりにこれだ！私の好きな作品!となることができました。更新楽しみにしてます (2022年11月5日 9時) (
レス) @page28 id: e30673860e (このIDを非表示/違反報告)
むくろ(プロフ) - これは良い作品の予感、更新楽しみにしてます。 (2022年2月9日 17時) (レス) @page25 id: 174613f474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒツギ | 作成日時：2021年8月31日 17時
