16話 ページ17
あの後、マルコには私について(トリップやら能力やらは無論話さず、現状とこれからについて)簡潔に話し、とりあえずの信用を勝ち取った上で、また外に出た。
続々と壁内に入ってくる巨人達と、それに対峙する兵。この作戦は主に駐屯兵団が率いていたはずだし、調査兵団の帰還までは時間稼ぎに手を貸さないと。
民家の屋根に乗り、壁の穴を塞ぐ予定の大岩方面を見る。そして、エレンが巨人化した。
「さて、行きますか…」
ワイヤーを建物に刺し、飛び立つ。
柏手を2つ。手から狙撃用のライフルを出し、銃弾をセットする。
暫くは固定ポジでエレンの援護だ。遠距離射撃で巨人からの警戒を避け、隠れることで身バレの防止。
下の方にいる3m級巨人は火炎瓶で事足りる。現在暴走中のエレンに襲いかかる巨人達はミカサ達が何とかしているが、正気に戻すのはアルミンが対応している。
この危険な作戦で、確か駐屯兵団の2人が亡くなったはずだが、先程エレンの暴走が収まり、私が救済した分兵士が多いことから、2人はギリギリのところで助かっていた。
そんなこんなで暫く援護射撃を続けていると、ついにエレンが壁の前まで到達した。
私も穴周辺に移動する。
「ゥウォォォォォッ！！！！」
エレンが穴を塞ぎ作戦成功の煙弾があがった。それを合図に、私は残りの巨人討伐に全力を注ぐ。
と、そこで、
「オイッ！！！！」
誰かが叫ぶ。
そちらを向くと、駐屯兵団数名と104期訓練兵が私を追ってきていた。
「大人しく一緒に来い！」
「巨人の討伐に協力してくれたんだから、味方でしょう！？」
「とりあえず一緒に来てくれ！！」
各々が言うことが違うが、要は巨人討伐をしている謎の人物＝私を連行したいのだろう。
「……面倒だな」
生憎こちとら未だ中学生。拷問も尋問も裁判もお断りなのである。そんな得体の知れないところ行けるか。
だいたい私はとりあえず救済して人類存亡に手を貸すだけの一般人。兵団のお世話になるなんて解釈違いもいいところだ。
巨人を討伐しながら逃げる私。
それを追いながら討伐する数人。
人間を襲う巨人。
まさにカオス。
早く巨人を完全討伐して帰りたい………
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mno(プロフ) - 久しぶりにこれだ！私の好きな作品!となることができました。更新楽しみにしてます (2022年11月5日 9時) (
レス) @page28 id: e30673860e (このIDを非表示/違反報告)
むくろ(プロフ) - これは良い作品の予感、更新楽しみにしてます。 (2022年2月9日 17時) (レス) @page25 id: 174613f474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒツギ | 作成日時：2021年8月31日 17時
