ひ ね く れ 者 。 ページ4
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二年の冬、朝練が終わり部室へ行く途中、駐輪場で自転車を止めるAちゃんと目が合い、互いに手を振り合う。
「おはよ、朝練?」
と「おう、Aちゃん寒がりなん?笑」
「うん、筋金入りの冷え性だからさ。笑」
そう話す彼女はモコモコのマフラーに、暖かそうなコート、手袋に耳あてと寒さ対策は完璧。
と「あ、時間やべ…、着替えてくる!またな!」
「うん!またね〜笑」
予鈴が迫っている時刻に気づき、急いで部室で着替えて校舎に入ると、柱にもたれかかって参考書を読んでいるAちゃんの姿が目に入る。
と「Aちゃん…?」
「あ、きたきた、朝練お疲れ様〜、これで体あっためて、授業も頑張って!笑」
そう言って彼女が渡してくれたのは校舎入ってすぐの自販機で売られている暖かいお茶。
と「いいの?てか、待っててくれたん…?」
「へへ、なんか鈴木くんに会うの久々だったからさ、少しお話したくなっちゃってさ〜笑」
時期が時期だからか、話す内容は期末テストだったり進路だったり、個人的な話は何も出来なかったけど2人でおれる時間なんて珍しくてただそれだけで嬉しかった。
「じゃあね、またね!」
と「あ、あのさ…!」
ばいばいと手を振り階段を登ろうとする彼女の腕を引き、ダメもとで言葉を放った。
と「ク、クリスマス当日…、空いてねぇかな…?」
俺が彼女を初めてデートに誘ったのは高校二年の12月上旬の事。
クリスマスイブ、いつものメンバーで集まって小柳津家でクリスマスパーティー。
それぞれが家からケーキやらチキンやらを持ち寄って均等にお金を出し合うっていう合理的なクリスマスパーティーだ。
男7人の中にぽつんと華奢な彼女がゆめまるとてつやの間に挟まれている。
隣の席が取れんかった悔しさと、両隣に座ってる男どもは何も考えてないことに軽く苛立ちを覚えた。
「「かんぱーい!!」」
グラスで乾杯をするとそれぞれコップに入ったジュースやらを飲み干す勢いで飲む。
ホールケーキを持っててつやの家のキッチンへ向かうAちゃんの後をりょうが追う。
先を越された。単純にそう思った。
別にあいつがAちゃんを友達としか思っていないとしても、俺からすれば仲のいい男なんて皆ライバルでしかない。
あー、ひねくれてんな〜、俺って。
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作者名:すーさん。 | 作成日時:2019年5月28日 0時