約 束 の 春 。 ページ12
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桜が綺麗に舞って散る4月上旬。
愛知の大学や専門学校の大体は今日が入学式。
みんな違う大学へ行ったが偶然にも入学式が同じ日でスーツを身にまとい、皆で入学を祝う会をした。
子供じゃねぇけど、集まればみんな大学生なんか名ばかりでそこらの中坊と変わらんかった。
ゆ「歌わんの?笑」
休憩がてら俺に近づいてきて隣に腰かけるゆめまる。
と「ん?いや、歌うけど、もう時期来るかなーって思って。笑」
ゆ「あー、A待ちか。笑」
「よく飽きずにあいつを一途に想えるな〜。笑」と俺を茶化してからてつやの肩を組みに行き、歌いだすゆめまる。
長年の片想い、こいつらには俺も知らん間にAちゃんのことが好きなことがバレていた。
もう彼女を想って二年が経つ。
俺はいつになったら男になれるんだろうな。
「ごめん!遅れたっ…!」
て「あー!やっときたー!」
マイクで伝いに言葉を発するてつやにしーっとゆうポーズをしながら急いで扉を閉める彼女。
ふわっと女性らしい香り、昔に比べて伸びた髪、前に会った時にはしていなかったナチュラルなメイク。
大人っぽさを感じさせる彼女に俺を含め男どもは釘付けだった。
ゆ「あれ、Aきたのー?笑」
トイレに行ってたこの幼馴染を除いて。
「あー!ゆめまる!久しぶり!」
女って短期間でこんなに大人っぽくなれるのか、そんな姿を目の当たりにした。
現に、ゆめまるやりょうはともかく、てつやとしばゆーは男の目になってる。
り「A大人っぽくなったね。笑」
と「え?あぁ…、うん。」
彼女がゆめまる達との会話に夢中になってる隙を狙ってか、俺にボソッと話しかけてくるりょう。
り「早いうちに告白しんとあれは学校でモテるぞ〜笑」
と「んな事、言われなくても分かっとるげ…。」
俺は部屋を出てトイレに向かい、顔を洗った。
気合いを入れて、今日こそ彼女に告白するために。
懐かしい思い出話に花を咲かせ、入学を祝う会改めただの仲間内のカラオケは夜更けまで続いた。
ゆ「じゃあね、また集まろ〜」
て「しっかり送って帰れよ〜笑」
と「わーっとるわ、じゃあな。笑」
「またね〜。笑」
店を出た時にりょうとしばゆーと別れ、車で途中まで送ってやったゆめまるとてつやを降ろして彼女の新居まで車を走らせる。
告白すると意気込んでいた気持ちはどこへ行ったのか、
彼女といるのに緊張して何も話せない俺がいた。
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作者名:すーさん。 | 作成日時:2019年5月28日 0時