【ヨーギラス】花 ◆ ページ46
(今日もいい天気)
眩しい日差しにそう思いながら、Aは窓を開ける。
庭を覗けば、Aのヨーギラスが今日も土を食べていた。
「ヨーギラス! おはよ」
庭に出たAは、ヨーギラスの元へ行き挨拶をした。
ぎら、と返事をして彼女を振り向いたヨーギラスの口元に、無邪気にも土がくっついている。
土を食べて成長するヨーギラスのため、Aは以前から庭にたくさんの土を用意していた。
彼女の施しにヨーギラスは喜び、毎日庭に出るようになった。
「今日もいっぱい食べてるね」
Aはヨーギラスの隣に屈み、その薄緑の頭をそっと撫でる。
もぐもぐと夢中で土を頬張るヨーギラス。
その小さな手が、傍に咲いていた可憐な花に無意識に伸びた。
「あっ! ヨーギラス、待って」
Aの声にヨーギラスはぴたりと手を止め、彼女を見上げて疑問符を浮かべる。
「これはお花だから食べちゃだめだよ」
土に紛れて密かに咲いていたその花を撫でながら優しく諭す。
ヨーギラスはAと花を交互に見た後、わかったと言わんばかりに元気よく返事をした。
「_ヨーギラス…ん?」
次の日、いつものようにヨーギラスの様子を見に庭にやってきたAは、ヨーギラスを見て目を丸くした。
ヨーギラスが昨日の花の隣に座り込み、自分よりも小さなその存在をじっと見つめていたのだ。
「ヨーギラス、どうしたの? …土は食べなくていいの?」
言いながら、ヨーギラスの顔を覗き込む。相変わらず口元に土をくっつけている様子から、土は満足に食べ終わったらしい。
すると、ヨーギラスがAの裾を引きながら花を指した。
それに従い注意深く花を見てみると、昨日よりも一回り大きくなっている気がする。
「…もしかして成長してる?」
Aとヨーギラスは顔を見合わせ、そして自然と笑みを零した。
次の日も、またその次の日も、ヨーギラスが土を食べるのと同時に、二人で花の成長を観察した。
そしてある日、二人の前には大輪の花。
「…綺麗になったね〜」
関心したようなAの声に、ヨーギラスも瞳を輝かせている。
美しい色彩、立派に育った花。
「…前はあんなに小さかったのに」
そう呟いた後、花からヨーギラスへと視線を移す。
ヨーギラスの横顔も、前より凛々しくなったようだ。
毎日たくさん食べて、頑張って修行してるこの子も、いつかはきっと。
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可愛いは正義 様のリクで、ヨーギラスです。
リクエストありがとうございました!
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玲那(プロフ) - あさまるさん» ありがとうございます!!リクにお応えするのがあまりに遅れてしまい、もう読んで頂けないかも…と思っていたので、無事にこんなにも早く読んでもらえて良かったです…。長らくお待たせしてしまいすみませんでした…!ドレディアちゃん、お気に召したようで嬉しいです! (2022年7月13日 1時) (レス) id: eab570aeda (このIDを非表示/違反報告)
あさまる(プロフ) - ドレディアちゃんのお話尊すぎてやばいです(語彙力低下)素敵なお話をありがとうございます……女子力カンストしてるドレディアちゃん本当にかわいくて最高でした! (2022年7月13日 0時) (レス) @page48 id: e90da45664 (このIDを非表示/違反報告)
朎(プロフ) - ニコメさん» コメントありがとうございます。大変嬉しいお言葉に感謝です…!少しずつではありますが今後も更新していきたいと思っております( ¨̮ ) (2022年5月15日 21時) (レス) id: c573d3791e (このIDを非表示/違反報告)
ニコメ(プロフ) - コメント失礼します。此方の短編集どれも面白い上に、語彙力も高いので度々参考にさせて頂いております。 主様も私情でお忙しいと思いますが、更新頑張ってください! (2022年5月15日 19時) (レス) id: 8fef5fb9e2 (このIDを非表示/違反報告)
朎(プロフ) - あさまるさん» こちらこそ、いつも読んで頂けているようで嬉しいです〜!ありがとうございます!リクエストでドレディア、了解しました! (2022年3月12日 21時) (レス) id: c573d3791e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玲那 | 作成日時:2021年10月25日 1時