【ゾロアーク】あなたがいいの。◆ ページ43
自分の主に喜んでもらいたいというのは、手持ちのポケモン達の願いである。
もちろんAのポケモンであるゾロアークも、彼女を喜ばせてあげたいと思っていた。
「_あの子可愛い…!」
テレビを観ながら、そう話すA。
その目線の先には、テレビ番組に出演中の愛らしいポケモン。
「いいなあ、私もあの子ゲットしたいな…」
テレビに映っているそのポケモンに夢中なAを、ゾロアークは隣で眺めていた。
*
「_面白かった。あのポケモン、可愛かったなあ」
番組を見終わり、テレビの電源を切りながらAが呟く。
その身体に、背後からゾロアークが擦り寄った。
「ん、ゾロアーク。どうしたの」
優しく声をかけてやりながら、ゾロアークへと向き直るA。
彼女の注目が自分に向いたのを確認すると、ゾロアークはイリュージョンを使った。
次の瞬間、Aの目の前には先程まで彼女を虜にしていた、あの番組内のポケモンが。
「わ、すごい…!可愛いっ」
化けたゾロアークに、たちまち嬉しそうな反応を見せるA。
こうすれば、Aが喜んでくれる。
自分が持つイリュージョンという力が、彼女を喜ばせてあげられる。
その純粋な気持ち故に、この『化ける』という行動に味をしめたゾロアークがいた。
それからというもの、Aが惹かれるものにゾロアークはその都度化けていた。
自分の好きなものが眼前に現れるたびに確かにAは喜んだが、化けてばかりで本来の姿のままでいることが少なくなったゾロアークに、同時に複雑な気持ちも抱いていた。
*
「ただいま」
ある日、帰宅したAをゾロアークが出迎える。
彼女がいつも喜んでくれる、別の子の姿で。
「あっ!今日はその子なんだね?」
言いつつ、もう一度 ただいま、と化けたゾロアークを撫でてやる。
「…ねえ、ゾロアーク」
撫でる手を止め、Aが話し始める。
「私の好きなものに化けてくれるのはすごく嬉しいけど、私はゾロアーク自身が大好きなの。だから、そんなにいつも化けたりしてくれなくていいんだよ」
私は、ゾロアークと一緒にいたいな。
いつものかっこいいゾロアークのままでいて。
その言葉に、今度はゾロアークが喜ばされる番。
ゾロアークは静かにイリュージョンを解いた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
まかろん様のリクで、ゾロアークです。
ちなみに作者、ゾロアークはヒスイよりもイッシュ派なんですよ。
リクエストありがとうございました!
【アブソル】幸せを呼ぶ ◆→←【ブラッキー、ニンフィア】4倍弱点 ◆
93人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玲那(プロフ) - あさまるさん» ありがとうございます!!リクにお応えするのがあまりに遅れてしまい、もう読んで頂けないかも…と思っていたので、無事にこんなにも早く読んでもらえて良かったです…。長らくお待たせしてしまいすみませんでした…!ドレディアちゃん、お気に召したようで嬉しいです! (2022年7月13日 1時) (レス) id: eab570aeda (このIDを非表示/違反報告)
あさまる(プロフ) - ドレディアちゃんのお話尊すぎてやばいです(語彙力低下)素敵なお話をありがとうございます……女子力カンストしてるドレディアちゃん本当にかわいくて最高でした! (2022年7月13日 0時) (レス) @page48 id: e90da45664 (このIDを非表示/違反報告)
朎(プロフ) - ニコメさん» コメントありがとうございます。大変嬉しいお言葉に感謝です…!少しずつではありますが今後も更新していきたいと思っております( ¨̮ ) (2022年5月15日 21時) (レス) id: c573d3791e (このIDを非表示/違反報告)
ニコメ(プロフ) - コメント失礼します。此方の短編集どれも面白い上に、語彙力も高いので度々参考にさせて頂いております。 主様も私情でお忙しいと思いますが、更新頑張ってください! (2022年5月15日 19時) (レス) id: 8fef5fb9e2 (このIDを非表示/違反報告)
朎(プロフ) - あさまるさん» こちらこそ、いつも読んで頂けているようで嬉しいです〜!ありがとうございます!リクエストでドレディア、了解しました! (2022年3月12日 21時) (レス) id: c573d3791e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:玲那 | 作成日時:2021年10月25日 1時