Shape.【ポケモン短編 / 原型、時々トレーナー】

【タマザラシ】ころころ ◆ ページ41

「タマザラシ、おいで！」

そう言って両手を広げるAに反応し、たむ〜！と嬉しそうに転がってくるタマザラシ。
その愛らしい丸い身体で、ころころと真っ直ぐにAの元へ。

近付いてくるタマザラシに合わせ、両手を広げたまましゃがむA。
転がってきたタマザラシは、すっぽりと彼女の両腕に収まった。

「よく来たね〜！いい子いい子」
些細なことでも、こうしてたくさん褒めてあげたくなる。
彼女の腕の中で幸せそうに たまぁ、と鳴きAに擦り寄るタマザラシ。

その無邪気な笑顔が愛くるしくて、ふにふにと柔らかいタマザラシの口元をつついてみると、くちっ、と思わず小さくくしゃみをするタマザラシ。

慌ててAが ごめんね、と言うと、タマザラシはぷるりと一度身を震わせてから彼女を見上げ、たむ、とまた朗らかに笑った。

＊

「タマザラシー、ご飯だよ」
食事の時間、タマザラシの好物が盛られた皿を片手に名を呼ぶA。
……返事がない。

Aは一瞬疑問符を浮かべたが、すぐに察しがつくと皿を一度テーブルに置き、ある場所へ向かう。

部屋に置かれた丸いクッションの隣に、もう一つ丸い物体が…

「…タマザラシ」
呟き、クッションの隣の丸い物体を優しくつつく。
するとその物体はころんと一回転して、眠そうなタマザラシの顔が現れた。

「おはよう」
Aの言葉に、タマザラシは ふわぁ、と大口の欠伸を一つ。
タマザラシはクッションの隣がお気に入りで、呼んでも反応がない時は大体いつもここにいる。

今は慣れたものの、丸いクッションの隣に丸いタマザラシがじっとしているのだから、気づかず探し回っていた頃が懐かしい。

「ご飯できたよ」
再度そう声をかけてやると、ご飯という単語にぴくりと耳を動かしたちまち目を覚まし出したタマザラシ。
待ってましたとばかりにぱたぱたと手を叩いて喜びを表現する。

「よし、じゃあ一緒に食べよっか」
Aが食卓へと歩き出し、タマザラシも元気に返事をして ころころと転がり彼女の後をついて行く。


今日もころころ、明日もころころ。

いつもころころ、あなたといっしょ。



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こちらも神羅課長 様のリクで、タマザラシです。
タマザラシのお話はちょうど書きたいと思っていたのでぴったりでした。
タマザラシ好きの友人の影響で、作者も最近タマザラシの可愛さに目覚めました…。ほんとかわいいお顔とボディですよねぇ…
リクエストありがとうございました！

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