Shape.【ポケモン短編 / 原型、時々トレーナー】

【日食ネクロズマ】たりない。 ◆ ページ31

やっと、やっと手に入れた。

日輪ポケモン、ソルガレオという、求めていた光。

吸収したその光がとてつもない力となって、身体中を巡っている。

「…ネクロズマ、いつの間に合体したの…」
足元からそんな声がして、日食ネクロズマが見下ろした先にはA。

求めていたソルガレオを吸収した喜び故か、はたまた力が駆け巡るこの身体ではじっとしていられないのか、ネクロズマはぐっとAに詰め寄った。

Aは驚いたが、密着してくる日食ネクロズマのたてがみをそっと撫でる。

心地よく温かかったソルガレオの白いたてがみは、日食ネクロズマとなった今では熱いほど。
そして鎧のような黒いプリズムの部分からは少なからず確かな闇を感じるのだから、ある意味ソルガレオはもうここにはいないのだろう。

「待ってネクロズマ、潰れる」
日食ネクロズマとなり力の加減にも一苦労。くっついてくるネクロズマに押し潰されそうになり、Aは焦った声を出した。

Aに触れる中、ネクロズマは、

もっと欲しい。足りない。

そう、思ってしまった。


もっと光が欲しい。どこにあるんだろう。

そう考えながら見下ろせば、足元にはAがいる。

＿愛おしい存在。それはつまり自分にとって光だ。

だから次に手に入れたいのは…

自分の中でその答えが出たとき、日食ネクロズマの前脚に思わず力が入る。
ミシミシと、地面に鋭い漆黒の爪が食い込んでいく。

「…ネクロズマ…？」
そんなネクロズマの様子を不審に思ったAが声を掛ける。

ネクロズマは返事をしなかった。
代わりにAに向かって口を開き、その牙を剥いた。


足りない光は、目の前の君。



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アニー様のリクエストです…！
改めてコメントを見返したところ「ネクロズマが日食ネクロズマとなる話」が正しい解釈かな、と勝手ながら考え、日食ネクロズマのお話を書かせて頂きました。違ってたらすみません…
ネクロズマが合体したソルガレオやルナアーラと相性良く活動する様子ももちろん良いんですが…今回もなぜかシリアスな方向になってしまいました。後悔も反省もしてません(しろ)
リクエストありがとうございました！

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