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それからも似たような日々が続いた。

Aが水路の傍を通ればサメハダーがついてきて、まるで一緒に歩いているかのようだ。

その間、サメハダーは相変わらず大人しいままだったが、ある日Aが水路と陸地を繋ぐ階段を指さして
「そこで会ってみる?」
と声をかけると、今までで一番嬉しそうな様子で跳ねてみせた。
飛び散る水飛沫に、冷たい、とAは笑った。


その階段へ行くと、待ちきれなかったのかサメハダーは先回りしていた。

「サメハダー、…わっ」
近付いてみると、サメハダーが水から階段に半身を乗り上げてヒレをびちびちと暴れさせたので、Aは思わず驚いて声を上げる。


飛びつくことは簡単だが、触れれば鮫肌で傷つけてしまう。
でももっと近くに寄りたい。


それがサメハダーの、この行動に隠された想いだった。


「ふふっ、可愛いなぁ」
でもそれを伝えることはできず、Aにそう言われてしまって ぱたりとヒレを下ろす。
それでも抗議するように、もう一度ヒレでぱしゃりと軽く水を弾くのだった。

気持ちが伝えられない悲しさに視線を落とし、水に引っ込んで口でぶくぶくと泡を立てるサメハダーに、Aはそっと手を伸ばす。

その手に気付いたサメハダーは はっとして、一瞬身を引く。
傷つけたくはない、触れてはいけない…


それでもAは手を引かず、サメハダーに触れた。
手のひらを押し付けすぎないように気をつけて、ゆっくりと優しく撫でれば、彼女の手に傷がつくことはなかった。

「…ざらざらしてるけど、痛くないや」

Aはそう言って微笑み、またゆっくりと手を動かす。
A自身のことも、サメハダーのことも考えた優しい手つき。

想いって、すごいなぁ。
こうして気持ちを込めて接してみれば、叶わないはずのことも叶ったりするんだ。


やっと、触れられた。


ずっと想って、追いかけてきたことも、ちょっとは報われたかな。


Aの手の温もりに、そう思うサメハダーの口角は きゅっと嬉しそうに上がるのだった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


サメハダーに追いかけられたい→ついてきたら可愛くね?
というふとした考えから思いついたお話です。
相変わらずのクソ余談ですが、作者のサメハダーとの一番の思い出は、数年前、暇な時になんとなく釣り竿を投げたら色違いのサメハダーが飛び出してきてくれたことです。今も可愛がってます。

【エビワラー】打った拳の数だけ ◆→←【サメハダー】気付いてほしい。



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玲那(プロフ) - あさまるさん» ありがとうございます!!リクにお応えするのがあまりに遅れてしまい、もう読んで頂けないかも…と思っていたので、無事にこんなにも早く読んでもらえて良かったです…。長らくお待たせしてしまいすみませんでした…!ドレディアちゃん、お気に召したようで嬉しいです! (2022年7月13日 1時) (レス) id: eab570aeda (このIDを非表示/違反報告)
あさまる(プロフ) - ドレディアちゃんのお話尊すぎてやばいです(語彙力低下)素敵なお話をありがとうございます……女子力カンストしてるドレディアちゃん本当にかわいくて最高でした! (2022年7月13日 0時) (レス) @page48 id: e90da45664 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ニコメさん» コメントありがとうございます。大変嬉しいお言葉に感謝です…!少しずつではありますが今後も更新していきたいと思っております( ¨̮ ) (2022年5月15日 21時) (レス) id: c573d3791e (このIDを非表示/違反報告)
ニコメ(プロフ) - コメント失礼します。此方の短編集どれも面白い上に、語彙力も高いので度々参考にさせて頂いております。 主様も私情でお忙しいと思いますが、更新頑張ってください! (2022年5月15日 19時) (レス) id: 8fef5fb9e2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あさまるさん» こちらこそ、いつも読んで頂けているようで嬉しいです〜!ありがとうございます!リクエストでドレディア、了解しました! (2022年3月12日 21時) (レス) id: c573d3791e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲那 | 作成日時:2021年10月25日 1時

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