ボカロ小説【鬼滅の刃】

続き ページ15

獪岳視点



食べてしまいたくなる衝動を必死に抑え彼女の頭を優しく撫でる

もしも彼女が起きているときに撫でられるのなら…出来るはずの無い願いを胸に抱き撫で続けた


「ん…」

獪「っ…ぶね」


危うくAが起きるところだった。でも寝ていたことに気付きそれを見てほっとつく


獪「…俺な、もうすぐで弟弟子に首を切られるかもしれねぇ。鬼の勘がそう言ってんだ

けど、まだそれまではお前の所に来てもいいよな…？」


風の噂で鬼殺隊で泣き虫がどんどん成長しているのを聞いた。俺より弱っちいのは変わりねぇが、俺の勘は良く当たる

近いうち泣き虫が俺のもとを現れて首を切る


獪「…好きだ」


二度と言えないのかもしれない二回目の告白をした。もう会えないかもしれないから

勿論Aは寝ているから聞きっこ無しだが。でもそれが逆に都合良いのかもしれない


獪「好きだA。優しいのも皆に愛されているのも、ずっと俺を待ってくれているのも」


出るはずの無い涙が頬を伝う。自業自得なくせに、泣く資格なんかあるはず無いのに涙が止まらない


獪「もし人間に戻れたら…なんて、できっこねぇか」


袖で涙を拭いいつものように置き土産を置き、もう一度頭を撫で自分の居場所へ俺は戻っていった


「…バカ」


彼奴が起きてるなんて知らずに


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貴方視点



ふと優しく頭を撫でられ心地よい感覚に目を覚ます

ところだった。目の前に獪岳がいる。起きてたくさん話したいけど起きちゃいけない気がして

彼の香が私を落ち着かせた。でも何故か彼の香だけでなく血の香もした

何で？どうして彼から血の香がするの？怪我をしたの？幾つもの疑問が私を悩ませる


獪「…好きだ」


ドキリとした。久しぶりに聞いた彼の声、彼の告白、まだ私のことが好きだったことの全てが涙腺を緩ますには簡単なことだった

私も好きなんて言えたら


獪「もうすぐで弟弟子に首を切られるかもしれねぇ。鬼の勘がそう言ってんだ」


…え？


隣に何かを置く音と同時にまた頭を撫でられる。ゆっくり手を離すと彼が遠ざかっていくのが分かる

首を切られる？鬼の勘？人間じゃないの？

血の香といい鬼の勘といい、もしかして…


善『最近近くに鬼が出てるので注意してくださいね』

『鬼？ふふ、鬼なんて出るわけ無いでしょう？』

善『出るんです！だから本当に注意してください！！嗚呼、今藤の花があったら…』

『？』


「…バカ」


私も君も、お互い本当にバカだ

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