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彼女といる時間が一番幸せだった。年下だったからなかなか会える機会がなくて
放課後誰もいない教室で何気ない会話を出来るちょっとした時間が、善逸にとっては一番幸せだったのだ
こっちが笑いを取ると、クスッと笑って風と共に長い髪の毛が揺れる光景がどれだけ美しかったか
帰ろうとしたら、手を繋ぎたいと恥ずかしそうに袖を引っ張った彼女がどれだけ可愛かったか
「外ではしゃぐより、善逸と二人でゆっくりする方が幸せ」と言われたときのなんとも言えない優越感がどれだけ
善「嫌いになんてなれねぇよ…!!」
離婚して心が弱っている彼女を今すぐにでも奪いに行きたい。あんな奴より俺のが君を傍で笑わせてやれると
俺にとっては好都合すぎて、それでいて心の奥でまだ諦めていなかったねちっこくてウザい善逸と思われるのが嫌な自分がいて
もしかしたら彼女はまだ離婚したそいつのことを想っているかもしれないってのに
善「自分のことばっかりだな、俺」
外を見れば、まだまだ冬はこれからとでも言わんばかりの雪が降っていた
しばらくボーッと外を見ていると、知らない着信が来ていた。宅配の人かと思い電話に出た
「…あ、もしもし。我妻さんの電話で合ってますか…?」
善「あっ、えっ、合ってますけど…もしかしてAなの!?」
「うん、そうだよ。良かった。善逸の声だ」
最後に会話した時よりも少し大人らしい落ち着く声でドキッと胸が高鳴る
善「久し振りだね…急に電話してきてどうしたの?」
「久し振りに声が聞きたくなって。ごめんね、忙しかったなら切」
善「全然!むしろ暇だったから超嬉しい!!」
「そ、そう?なら良かった」
せっかく話せるのだ。こんな貴重な時間を無駄にするわけない
「最近そっちはどう?仕事順調?」
善「順調っちゃ順調かなぁ…でもたまに上の人に怒られるけどね」
たわいもない話を暫く話していた。さっきまでの悲しさは何処へやら、幸せの絶頂にいた俺は思わず口を滑らしてしまった
善「俺彼女いないんだよね…あーあ、彼女欲しいなぁ」
自分でもバカなことを言ったと思う。彼女の事情を俺が知っていろうといなかろうと、元恋人同士の俺たちには絶対禁句のようなものだ
「そうなの?善逸のことだからてっきりもう可愛い奥さんいるかと思った。私と一緒だね」
彼女がどう感じ取ったかは知らない。だが少なくとも二人の仲が少しずつ昔のような関係に戻っているのが確かに感じた
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スター - 無一郎とねずこで、パンダヒーローをお願いします! (2020年6月6日 8時) (レス) id: 246a06d111 (このIDを非表示/違反報告)
まろ(プロフ) - あゆり。さん» もう学校燃えるか溶けるかしてほしいですよね本当に……励ましの言葉ありがとうございます!テストお疲れさまでした!! (2019年11月15日 23時) (レス) id: 445c53037a (このIDを非表示/違反報告)
あゆり。(プロフ) - まろさん» おっと、つい感情がポロッと…そうなんです。もう学校滅ぼしたゲフンゲフン……まろさんもテスト頑張ってくださいね!(。`・ω・) (2019年11月15日 20時) (レス) id: 3e0865f552 (このIDを非表示/違反報告)
まろ(プロフ) - 荒ぶる作者の図ボソッ…………………………テスト終わってまたすぐテストとか鬼畜ですね。私もテスト二週間前に入りました。お互い?テスト頑張りましょう! (2019年11月13日 23時) (レス) id: 445c53037a (このIDを非表示/違反報告)
あゆり。(プロフ) - マジでテスト滅びてほしいわ。うん (2019年11月10日 20時) (レス) id: 3e0865f552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆりは気力満点 | 作成日時:2019年8月16日 23時