え、私？重の姉ですが ［舳丸］

13.置いて行かないで ページ14

スパァァン

舳丸が勢いよく襖を開ける


A「・・」ビクッ

舳「なにをしている」

A 「な、なにって身支度だよ。ほら、さすがに一晩泊めてもらうのは迷惑だからさ！」



そのA の明るい態度が舳丸を余計に苛立たせる
なんとか感情を押し殺して舳丸が問う



舳「どこへ行く気だ」

A 「どこって家だよ？何いってるの？やだなー」

舳「色町か？」

A 「ピクッ)・・・色町？そんなのは私には縁もないよ。まあ女は好きだけど・・」



舳「いいかげんにしろ！」

パァンッ

部屋に乾いた音が響く
舳丸がA の頬をおもいっきり叩いた


A 「・・・・痛い・・なに、するの・・！」

舳「お前の家はない！お前のかえる場所は色町なんだろ！？」

A 「しらない！！私は・・！違う！」


舳「まだしらっばくれる気か！！」

A 「・・あ・・・・う」ガタガタ


舳「・・・お前身体売ってるらしいな」


A「・・・・な、なんでそのことを・・・」

舳「さっき部屋の外で盗み聞きしてたろ。全部重から聞いたぞ」

A 「・・・・」


舳「ふんっ、だんまりか。嘘ついてまで色町で働きたいのか？重が心配してるんだぞ！重に心配かけたいのか！？！？」


A「・・・やめろ・・・やめて・・・やめてください・・」

今の舳丸は恐怖の対象なのか
Aは身体を震わせぶつぶつとつぶやいている


舳「・・・少しは周りを見たらどうだ」

A「・・・・いや・・違う・・・私は・・私は・・」


舳「(まだ認めようとしないのか・・少し気の毒だがしかたない)」


舳「そこまで否定するのならもう知らないからな。俺は『ウソツキ』が嫌いだ」


わざとウソツキの部分を強調するとAはみるみる目に涙をためていく
そして舳丸が踵を返して部屋から出ようとするとAは舳丸の裾をつかんだ

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