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誰か【夕暮 暖】 ページ25

転送装置を使い外に出ると、早速ヘドロのようなものを引きずってゆっくりとこちらに近づいてくる破壊者が見えた

軽く戦闘体勢を取りながら周囲を見渡す

少々バラついてはいたものの、一応全員の位置は把握できた
もう何人かは戦闘に入っていた

俺の能力は使用回数を重ねるごとに、能力の効果である『動きを止める』ことが出来る確率が下がっていってしまう

その為、あの日――誓が出来た日から続けていた唯一の特技である武道を駆使して破壊者と戦わなければならない

試しに一番近くにいた破壊者に蹴りを入れる
動きが遅かったため、簡単に当てることが出来た
横に薙ぎ払うように蹴ると、その軌道を作るように空洞が出来る
真っ二つになった破壊者は地面に溶けるように崩れ落ちた
そして、蒸発するかのように消えてしまった

触れたら皮膚が溶けてしまうと聞いていたが、意図的な攻撃でなければ大丈夫なのだろうか

そんなことを考えながら一度、他の人の安否を確認する為に辺りを見渡す

先ほどより破壊者の数が増していた


そして――遠くに、確か泡沫。アイツが泡を吹いて倒れている姿を見つけた
近くに人は……今のところいない
少し焦りを覚えながら近くにいた破壊者に蹴りを入れる
同じように溶けていくことを確認すると、近くにいた月ヶ瀬に一言声を掛ける

「少し夏班の方へ行ってくる」

返事も聞かずに走りだす
勝手な行動を取ってしまったし、後で井立に叱られるかもしれない

だがそんな事よりも、分かっていたのに人を助けられない方が俺にとっては辛かった


向かってからほんの数秒経ったときだった
凍乃が泡沫の方へ走っている姿が見えた

任せても大丈夫そうか――そう安心したのも束の間
いつの間にか現れていた破壊者が凍乃を襲った

「おい!」

凍乃に声は届かず、負傷したまま泡沫の方へ走り続ける
動きが鈍くなっていた破壊者に同じように蹴りを入れる
もう凍乃は泡沫の所へ行けただろうか、と前を見た

凍乃が地面に倒れ込んでいた
皮膚を溶かされたのか、かなりの血を流して


あの時の情景がフラッシュバックした


二人の負傷者がいることをいい気に、破壊者がどんどん集まってくる
俺は自暴自棄になって二人の近くへ走った

『守る』

そして、能力である『冬夕焼』を使った


――誰か、誰でもいいから来てくれ

この『夕日』を放っている間、破壊者を止めれるが俺も動けない
近くに来たら俺が名字を呼び、動けるように解除する

だから、誰かこの二人を――

怒り 【月ヶ瀬 亨】→←絶えない泉の水【凍乃 水月】



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魁來。(プロフ) - 終了しました (2017年12月1日 6時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
魁來。(プロフ) - 更新します (2017年12月1日 6時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
トウキビ(プロフ) - 更新しました (2017年11月25日 19時) (レス) id: 897976709d (このIDを非表示/違反報告)
トウキビ(プロフ) - 更新します (2017年11月25日 19時) (レス) id: 897976709d (このIDを非表示/違反報告)
フリダ‐(プロフ) - 更新終わりました。 (2017年11月24日 19時) (レス) id: f3285e7d53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:四季紡ぎ。作成メンバー x他9人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年11月12日 22時

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