【Free!】待ち人２ (ページ23)

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無事に到着したことにほっとしながら船を降りた。
どうやら怜は船酔いしてしまったようで、顔を青くしながら御手洗に走っていく。

怜が戻ってこないまま、帰るという笹部さんにお礼を言って見送った。

江「そういえば差し入れってなんだろう」

笹部さんに貰ったクーラーボックスを開ける江。その後ろから私も中を覗き込む。

江「ピザ…」

『…もう少しさっぱりしたの食べたかったな』

申し訳ないが日差しが強く、暑いこの中でピザを食べたいとはあまり思えなかった。

「こっちは…」とその隣にあるクーラーボックスも開けてみる江。

遙「鯖だ」

江「どんだけ鯖好きなんですか！」

遙「さっぱりしてるぞ」

そう言ってくるハルに「まぁ、そうだね」と返しながらも、きっと私の口は引きつっている。

すると御手洗に行っていた怜が戻ってきて、みんなのことを呼ぶ声がした。

怜「ちょっと来てください！」

_____…

真「なんでここに鮫柄水泳部が」

怜に連れられて来たのは50mプールがある施設。
どうやら鮫柄もここで合宿をしているようだ。

渚「あ、凛ちゃんもいる！」

最後に凛に会ったのは合同練習の日。
あの日も逃げるように私は帰ってしまって、結局ちゃんと話せなかった。

水泳部に入ったことも報告はしてないが、江は凛に私のこと言ったのだろうか。

私がどうしようがもう凛は関係ないと思うのだろうか。

江がまた計画して鮫柄と会わせるようにしたのかと疑われたが、今回は本当にたまたまらしい。

渚「偶然からそれでいいんじゃないかな！せっかくだし、会いに行こうよ！」

渚がそう提案したが、ハルがすぐに「よせ」と止める。

遙「アイツとは、県大会で会うって約束した」