61.元の世界 ページ15
元の世界に戻った私は、両親の手伝いをして生活していた。
ロウさんから植物についてはよく教わっていたので、花の名前なんて両親よりも知っている私はかなり役立っていると自分でも思う。
あれから耳が現れることも無く。本当に私は人間になってしまったのかと思うと少し寂しい気もするが、両親と一緒に生活できることは何よりも幸せだった。
渋天街には1〜2ヶ月に1度程の頻度で遊びにも行っている。
もちろん手土産のシュークリームは忘れずに持って行っている。
戻ってきてからかなり時間が経ち、生活にも慣れ始めた私は1人で店番も出来るようになった。
今日も1人で店番を頼まれたが、お客さんが来なくて暇なので雑誌を膝の上に開いて読んでいる。
戻ってきてからこの雑誌とテレビにはかなり助けられた。
遊びに戻ってきていたとはいえ、長い間こちらの世界で生活していなかった私は大体の情報をこの2つから知った。
今ではトレンドの服だとか、人気の俳優さんだとか人間の女の子が興味を持つものに私も同じように興味を持ち、ある程度はわかるようになっている。
チリンチリンという入口が開く音が聞こえて顔を上げる。
お客さんだと思い、「いらっしゃいませ」と言おうと口を開いて固まる。
『きゅう、た』
やっと出た言葉は自分でも驚くほど弱々しく、相手に聞こえるか聞こえないか分からないほど。
しかも九太なんて呼んでしまった。
彼の名前は蓮なのに。
蓮「やっと見つけた」
黙って立っていた蓮の第一声に目を見開く。
見つけたって何？探してたの？私を？
なんて言おうか迷っていると、突然どんどんと近付いてきた蓮に抱き締められた。
『ちょっ、え！？』
蓮「なんで勝手にいなくなってんだよ馬鹿野郎！」
怒ってる。しかも声大きいから耳がキーンってなった。
『お、落ち着いて！とりあえず離れよ？』
パニックを起こすのをギリギリ堪えて、蓮を落ち着かせるように声をかけるが、蓮は離そうとしない。
蓮「嫌だ。もう絶対離さねぇ！」
その言葉に私の心臓は爆発寸前。もがいていた動きもピタリと止まる。
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アコ(プロフ) - (名前)アリアさん» コメントありがとうございます！書かなきゃと思っていたので勢いで作ってみました。クオリティは高くないですが良ければよろしくお願いします (2021年7月10日 1時) (
レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)アリア(プロフ) - すいません。完結しているのにあれなんですが、一郎彦編作って欲しいです。お願い致します (2021年7月9日 22時) (レス) id: 6a52b1fa20 (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - 九太に惚れすぎてやばい(;ω;) (2021年4月3日 21時) (レス) id: 2412f61ab0 (このIDを非表示/違反報告)
なん - めっちゃくちゃいい話でした泣 (2020年1月31日 1時) (レス) id: 4ea39a9195 (このIDを非表示/違反報告)
杏彩(プロフ) - 親の前で号泣しちゃってヤバかった。最高。 (2020年1月6日 22時) (レス) id: 850c5cb3a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アコ
| 作成日時：2019年9月2日 22時
