26.食は正義だからね! ページ27
貴「こんなクレープなんかで許すと思ってるの?」
凛が持ってきたタオルを頭に被りながら不貞腐れた様子でベンチに座る貴澄。
貴澄の片手には真琴が買ってあげたクレープが握られている。
凛「そんなこと言うなよ、貴澄。ほら、もう一個食うか?」
貴澄の機嫌をとるように凛が追加で買ったクレープを貴澄に差し出す。
その様子をAは口いっぱいに宗介に買ってもらったクレープを頬張って見ていた。
その横で宗介は気まずそうに貴澄から視線を外している。
遙「もういいだろ。」
真「まだダメだよ、ハル。ハルも貴澄を撃ったんでしょ?」
その場から立ち去ろうとする遙の腕を真琴が掴んで引き止めていた。
貴「し、仕方ないから今回はクレープで許してあげる!」
ちゃっかり凛が差し出したクレープを受け取りながらそう言う貴澄に、凛と真琴はホッとした表情を見せ、宗介と遙は呆れたような表情を浮かべていた。
『ねぇ、宗介。私ももう一個食べたい!』
軽く宗介の服の裾を引っ張ってクレープの包み紙を宗介に見せるA。
宗「一個で十分だろ。食い過ぎだ。」
『なんで貴澄は二個なのに私は一個なの?!』
駄々をこね始めるAに宗介が溜息を吐こうとした時、何処からか声が聞こえた。
「A、ほらアンタの旦那の奢り。」
何処からか現れたAの友人が焼きそばを差し出しながら立っていた。
『わぁ!焼きそば!宗介いつの間に買ってくれてたの?』
宗「さっき、な。」
「取りに来いって言ったのに、いつになっても来ないから優しい私が届けに来てやったんだよ。」
「ありがとう!」と幸せそうな表情で焼きそばを受け取るAの頭を撫でながら、ジト目で宗介をみる友人。
そんな友人の視線から逃れるように、宗介は視線を逸らした。
「まだ店番があるから」と戻っていった友人を見送り、貴澄たちに視線を戻す。
すっかり機嫌が良くなった貴澄はクレープを食べ終わると帰って行った。
凛「はぁ…疲れた。」
真「機嫌直ってよかったね。」
一気に疲れがきたのか、凛は真横にあったベンチに腰を下ろした。
その横ではAが焼きそばを頬張っている。
凛「お前本当良く食うよな。」
『食は正義だからね!』
凛「いや、意味わかんねえよ。」
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かのい(プロフ) - めっちゃ面白です!続き作って欲しいです!!! (2018年5月17日 17時) (レス) id: 496fc58da6 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかり(プロフ) - マジこの作品最高です!!宗介推しなので幸せです!!! (2018年1月2日 21時) (レス) id: 93c4762313 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 素敵過ぎて大好きです続き見たいです!!! (2016年12月24日 11時) (レス) id: ecda9cfb15 (このIDを非表示/違反報告)
マイ - ほんと面白いです!いっきに全部読みました!ありがとうございます! (2016年12月13日 4時) (レス) id: 20749a2ad6 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - この小説とっても面白いです! 引き込まれます。できれば続編を読みたいです! もし作ったら教えてください!! (2016年11月11日 19時) (レス) id: 53627d6798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2016年4月1日 23時