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「よーし!5分たった。いこっか」




そう言った宏光くんが立ち上がったのは、
それから30分くらい経ったあと。



一瞬のうちに離れていってしまった温もりが
ほんの少しだけ恋しい。





スッと目の前に差し出された手に引っ張られて、
私も続いて立ち上がった。






「ありがと…」

って呟きながらお尻の砂を払った私を見て、

宏光くんはニコって頷いたあと、

先に歩きだした。






「何食べたいー?
とんかつとかもいいし、パスタもいいなー」



そういったあとに思い出したように

「あ、でも昨日も麺食べたっけ?」
って楽しそうに言う宏光くん。








いつも通りだ…


さっきまでのどこか儚くて、

か弱い彼はもういない。







「ありがとね…」

ってもう一度呟いたあと


「とんかつに一票!」って。



宏光くんに続いて、いつも通りの私で歩きだした。






小さい子どもが大事なものを誰にも取られたくないと宝箱に入れるように。





私もさっきまで感じていた温もりと愛しさを心にしまった。









海へ来る前と何も変わらない。



一度は離れようとしたけれど、

これからも一緒にいてほしいと引き寄せてくれた彼。









追ってばかりいた背中はもうすぐ近くにあるはずだけど、



それでもまだ手は伸ばす勇気はない。









何も変わっていない。







私と宏光くんは友達のままだ。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 北山宏光   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:None [ノン] | 作成日時:2018年9月19日 23時

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