2度目の初恋を君と (ページ10)

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「うわー見て、めっちゃ綺麗」

「ほんとだ！すごい！」

途中険しい道で何度も降りるよ！って言ったけど、
「いやだ」って言って頑なに下ろしてくれないままついに頂上に着いてしまった。

ラクしまくりな私は、
未だに玉森くんの背中に乗ったまま。

「玉森くんありがとう。そろそろ…」

「なんか気に入ったわ、これ。」

「え！ちょっと！」

そのままユラユラ揺れだした彼の背中で一緒にユラユラ揺れる。

「なにこれ」

「楽しいっしょ」

「楽しくないよ！」

とか言いつつ、
お茶目な玉森くんに笑いが止まらない。

「めっちゃ楽しそうだけど」

「ギブギブ！酔うって！」

「あはは」

やっと止まってくれた玉森くんは、
私をそっと地面に下ろして、
そして向き合うようにくるんと回った。

「ごめんね。1人にして」

あまりにも真剣な顔に正直戸惑いを隠せない。

つい5秒前まであんなにふざけてたのに…

「うん…」

返事する私の声はあまりにも小さい。

綺麗。
男の人にそんな言葉使う日がくるなんて思わなかった。

伏せた目がまつげの長さを際立たせて、
さらに頬にうつるまつげの影が色っぽかった。

玉森くんのゆっくりと目が開いて、
ゆっくりと視線が重なった。

「ひらの…」

玉森くんの口がまたゆっくりと動き、
何か言いかけた時、

「玉！A！」

なんだか久しぶりに感じるみつ先輩の声がそれを遮った。