2度目の初恋を君と (ページ34)

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もう忘れてくれってことかな。

それとも…

本当にもう忘れられちゃったのかも。

そうだよね。

ちゃんと会ったのなんて、
小学生の頃を除けばたったの2回。

よくよく考えれば、
逆に覚えてなくて当然なのかもしれない。

そうは思うものの、
好きな人に存在を忘れられるなんてこれ以上ない悲しい出来事にショックを隠しきれない。

ああ。だめだ。

想像以上に衝撃が大きいみたい。

玉森くんのあの会釈から軽く30分は経ってるのに、未だにそのことしか考えられない。

さっきから太輔先輩が必死に話してくれてる言葉に、私はきちんと返事できているかな。

そんなことさえも判断できないほど。

「…ちゃん、Aちゃん！」

「あ…はい」

私の不安は的中。
やっぱりうわの空になってたみたいだ。

気がついた時には目の前を太輔先輩の手のひらが何往復もしていた。

「す、すいません」

慌てて謝る私に、
相変わらずステキな笑顔で笑いかけてくれる。

「帰ろっか」

「…はい」