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私はベットに広げた本を勢いよくまとめ部屋を飛び出す。その勢いが頬に涙が伝ったが気にしている場合では無い。
これが本当に彼の思いなのか、知りたかった。
まるでワガママな私がみた幻覚じゃあなかろうか。そんなふうに思ってしまうほど待ち望んだ言葉だった。
泣きながら廊下を走っているなんて、他から見れば異常だろうか。すれ違った人は凄い目で私を見ていた。気にしてはいられない。
長い長い廊下だが走ってしまえば案外すぐにつく広間の前で行き着く間もなく私はドアノブに手をかける。重い扉も今は一切気にならなかった。
「ナワーブ！」
大きな声を出せば広間で食事をしていた人たちの視線が一気に集まる。私はいつも彼の座っている席に視線を向けた。彼はまだ食事を取らず頬杖を着いてまたあのイタズラな笑みを浮かべている。
「おぉ、遅かったな」
「遅かった、じゃない！これ……これ、」
私は彼から貰った本を彼に向けて突き出す。もう前が見えないほどに溢れた涙が話すのも邪魔をしてきた。
「おう、誕生日おめでとう」
そう言って、彼は私の頭を雑に撫でた。その言葉を聞いて広間にいた人たちが突然ざわめき出す。そう言えばナワーブにしか言ってなかったような気がする。そんなことは今、どうでもいいのだ。
「……メッセージカード。本当にこれ、信じていいの？」
ぎゅ、と強く胸元に本を抱え次にメッセージカードを彼に突き出す。彼はマジマジとそのメッセージカードと私の顔を交互に見比べてから口を開いた。
「なんだ、ラブレターを貰うのは初めてか？」
何かが崩れたような音がする。耐えようとか、なくそうとか。そんなことばかり考えていたのになぜ彼はこんなにも私の心に触れてくれるのか。
私は勢いよくナワーブの腕の中に飛び込む。彼はよろけることなくしっかり私を受け止めてくれた。広間はずっとざわざわと沢山の話し声が聞こえるがきっとそんなことはどうだっていいのだ。
「俺はな、確かにお前の呪いとかなんとかのせいで好きになったのかもしれない。けど、呪いが解けてからちゃんとAと向き合って。そんで恋をしなおしたんだ。ちゃんと、言ってる意味分かるか？」
「うん」
「なぁ、好きだ」
彼は少し離れて私の涙を指先で拭う。少し驚いて私は顔を上げて彼の顔が見えた。フードの中から除く彼の表情は優しく思わず体を固めてしまう。
そんな私にまた笑いかけてキスを落とした。
「私も、ナワーブが大好き」
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とびこ(プロフ) - 焼きそばパン粉さん» めっちゃ嬉しいです！最近全体的に更新滞ってましたがまた機会を見つけて作ろうと思います！ありがとうございます！ (5月31日 22時) (
レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - ここまで一気見しましたが、とてもおもしろい物語でした！特に女性ハンターやサバイバーとの絡みがとても好きで、ハンター問わずの女子会とか飲み会とかもっと見たいなと思っていたんです！もし、作者様のお時間がお有りでしたら、番外編！とても楽しみにしています！ (5月29日 15時) (レス) @page45 id: a4641315f9 (このIDを非表示/違反報告)
とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» 毎パートコメントいただけて嬉しかったです。ずっと応援していただいてありがとうございます！次に行くか続編に行くかまだ決め兼ねているのですがそう言っていただけるだけで嬉しいです。 (2023年4月26日 8時) (レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫山 - 完結してる！おめでとうございます！別の小説とか書くのであれば応援してます！ (2023年4月26日 6時) (レス) @page45 id: 3a62e4e3a3 (このIDを非表示/違反報告)
とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» いつもコメントありがとうございます！！頑張ります！ (2023年4月14日 20時) (レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とびこ | 作成日時：2023年4月13日 6時
