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それ以上、彼は言及することは無かった。ひたすらに汗を流しながら筋トレし続けている。私もそれを他所にいつも通り本を読んだり横で同じように筋トレをしたり普通に過ごしていた。
「汗拭かなきゃ風邪ひくよ」
水を飲んですぐに再会しようとする彼に私は洗面所から一枚真っ白のタオルを取り出した。顔めがけて投げてやれば頭からだらりとだらしなく引っかかった。
彼はそのままタオルに顔を埋めゴシゴシと擦る。その後、髪を絞るように包んだり、上半身を雑に拭いたり。
「これお前の？」
「そうだよ」
ある程度拭ききっただろうかとタオルを受け取るとそんな風に問いかけてくる。あれだけふかふかだったタオルはずし、と水分を含んで重くなっていた。相当頑張った証拠だ。
「俺、シャワー浴びるからそろそろ戻るわ」
少し、器具を眺めて迷ったあと彼は名残惜しそうに言う。何か一つでもプレゼント出来ればいいのだろうがそんな気軽に受け渡しできるような代物でもない。彼は床に脱ぎ捨てたタンクトップを着ていつものフードの着いたノースリーブの服を肩にかけた。
「おっけー、ちゃんと水分取ってね」
「おー」
気だるげにそう言ってから扉に向かう。彼がドアノブに手をかけた時、一度私に顔を向けた。どうしたのか、と首を傾げると彼は横広の唇を小さく開けた。
「明日、早起きしろよ」
「うん？私はいつも早起きだよ」
そう言えば困ったような表情をして少し考えたあと、「ならいい」と言い捨てて部屋を出ていった。とはいえ、夕食があるからまた会うだろうけど。
私は器具拭き取り用のタオルを取り出した。垂れた汗なんかを拭かないと匂いが染み付くし、汚くなる。だから使ったあとは拭かないといけない。
けれど、彼が使ったあとの器具は一切水分を感じられない。あれだけの汗をかいていればもうビシャビシャになるようなものだが。
しかし、よく見れば乱雑だが汗が伸びたような擦れた跡が残ってる。あぁ、ナワーブなりに拭いてくれていたのか。私は思わずにやける。こういう律儀なところも彼のいいところだ。私は拭き取り用の濡れ布巾で全体を拭き取る。
その後適当に洗濯機にタオルと濡れ布巾を投げ入れる時に気がついた。思考は変態じみているがナワーブの汗が染みたタオルをこう簡単に洗濯していいものか。
そんな、邪な考えが過り少し鼻に寄せる。時間が経っていないせいかあの特有の不快感を放つ汗臭さはない。むしろ、ナワーブの良い匂い。
正気に戻ったのはその数秒後だ。
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とびこ(プロフ) - 焼きそばパン粉さん» めっちゃ嬉しいです！最近全体的に更新滞ってましたがまた機会を見つけて作ろうと思います！ありがとうございます！ (5月31日 22時) (
レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - ここまで一気見しましたが、とてもおもしろい物語でした！特に女性ハンターやサバイバーとの絡みがとても好きで、ハンター問わずの女子会とか飲み会とかもっと見たいなと思っていたんです！もし、作者様のお時間がお有りでしたら、番外編！とても楽しみにしています！ (5月29日 15時) (レス) @page45 id: a4641315f9 (このIDを非表示/違反報告)
とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» 毎パートコメントいただけて嬉しかったです。ずっと応援していただいてありがとうございます！次に行くか続編に行くかまだ決め兼ねているのですがそう言っていただけるだけで嬉しいです。 (2023年4月26日 8時) (レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫山 - 完結してる！おめでとうございます！別の小説とか書くのであれば応援してます！ (2023年4月26日 6時) (レス) @page45 id: 3a62e4e3a3 (このIDを非表示/違反報告)
とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» いつもコメントありがとうございます！！頑張ります！ (2023年4月14日 20時) (レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とびこ | 作成日時：2023年4月13日 6時
