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「嘘……」
「嘘なんかじゃあない。ただ、あの呪いに犯 された状態で接してしまえば私も呪いにかかる。そうなればこうしてAを救う人は荘園内に居なくなってしまう。だから、解呪の手立てを先に立てる必要があった」
私は恐る恐る彼女の手をとる。呼吸も随分しやすくなって大きく息をついた。手を取ったとき彼女の表情が少し明るくなるのがわかる。
「私、パトリシアとお友達になりたい」
「……ありがとう」
彼女は一度ぎゅっと手に力を込めてするりと離れた。バケツ内に出た根源と呼んだ何かを持ち上げ「部屋に戻る」と行ってしまう。
「ありがとう、パトリシア。助けてくれて」
「……友達を助けるのは当然だと聞いた」
頬を少し赤くしてパタパタと部屋を出ていってしまう。私はナワーブから少し体を離し彼にも「ありがとう」と呟いた。
「みんなも、そばに居てくれてありがとう。怖かったから助かった」
「当たり前でしょ」
「そうなの！」
「私は医師としての役割をこなしただけよ」
エミリーは以前のような友好的な笑みを浮かべることはなかったがそれでも優しい顔をしていた。確か、エミリーが元々仲良くしていたのはエマくらいだったから人と友好的に接するのは得意じゃなかったんだろうか。
それでも医師として命を守るために最善を尽くしてくれたのだ。
「うん、ありがとう」
「今日は夜もおせーし、解散にしよーぜ。Aも疲れただろーしよ」
ナワーブの声にみんな同意する。私の部屋の扉は完全に壊れてしまっているのだがまぁ、仕方がないと修理ができる日まで耐え忍ぶことにした。
今日であの体質とはおさらばだ。不安もあるが妙にスッキリとしている。
私は皆を見送ってから布団に潜り込んだ。
―――
「良かったのかしら、ナワーブ」
「何がだよ？」
エマ、トレイシー、エミリー先生が横並びに並んで歩く。静かな空間にエミリー先生の言葉が響いた。
「Aを一人にして。したくなかったでしょう？」
エマとトレイシーが少し目を見開きこちらへと視線を向ける。俺はどんどんと顔に熱が集まっているのが分かった。俺は何も言えず顔を背ける。
「あら不思議ね。あれだけ好きだ好きだって目が言ってたのに」
「そうなの！エマ、気が付かなかったの」
「いや、気の所為だ」
話に食い付いてニヤつき始めたエマを無視して話を遮った。
「ナワーブって案外分かりやすいよね。顔真っ赤だよ」
俺はトレイシーの頭をチョップして少し早足に部屋に戻る。無くなったハズの感情がまだ自分の中に渦巻いていることに一番驚いているのは俺だ。
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とびこ(プロフ) - 焼きそばパン粉さん» めっちゃ嬉しいです！最近全体的に更新滞ってましたがまた機会を見つけて作ろうと思います！ありがとうございます！ (5月31日 22時) (
レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
焼きそばパン粉(プロフ) - ここまで一気見しましたが、とてもおもしろい物語でした！特に女性ハンターやサバイバーとの絡みがとても好きで、ハンター問わずの女子会とか飲み会とかもっと見たいなと思っていたんです！もし、作者様のお時間がお有りでしたら、番外編！とても楽しみにしています！ (5月29日 15時) (レス) @page45 id: a4641315f9 (このIDを非表示/違反報告)
とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» 毎パートコメントいただけて嬉しかったです。ずっと応援していただいてありがとうございます！次に行くか続編に行くかまだ決め兼ねているのですがそう言っていただけるだけで嬉しいです。 (2023年4月26日 8時) (レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫山 - 完結してる！おめでとうございます！別の小説とか書くのであれば応援してます！ (2023年4月26日 6時) (レス) @page45 id: 3a62e4e3a3 (このIDを非表示/違反報告)
とびこ(プロフ) - 黒猫山さん» いつもコメントありがとうございます！！頑張ります！ (2023年4月14日 20時) (レス) id: a150e1a772 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とびこ | 作成日時：2023年4月13日 6時
