検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:7,256 hit

九話 ページ9

お茶の効果もあってか緊張もしていないし、気が立ってここまで来たはずなのにその気持ちも落ち着いてしまっている。
いい事なのだろうが、勢いで話を済ませてしまった方がよかっただろうことは言うまでもない。


「その、話なのだが」

「何だ」

「私の教え子についてだ。出来のいい教え子を、このままではもったいないと思って余所に出そうと思ったのだが…」

今更なのだが面と向かって、貴殿のところに学ばせに出したくはないだなんて失礼すぎやしないだろうか。

「その教え子が、俺のところで学びたいと言ったか」

「よ、よくわかったな」

「だが貴殿は俺の考えに理解を示していない、だから出来れば俺の元へは学びに出したくない」

「おお…」

「だが教え子の考えは尊重してやりたい、だから来た」

「なぜわかった、能力か…?」

「能力はあるがそういう能力ではない」




向かいのソファに座る福沢殿をじっと見つめる。



彼も私を見つめる。





「何か言うことはないのか?」


「俺の顔になんかついてるのか」


「ついてないけど、そうじゃなくてだな」



「まさかとは思うが、俺が貴殿に俺の考えを理解しろとでもいうと思ったのか」

十話→←八話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミヤモトきのこ x他1人 | 作成日時:2016年11月11日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。