検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:7,253 hit

六話 ページ6

中でガタッと椅子から立つ音が聞こえたが、足音は聞こえない。
話を聞いてくれるようである。


「私は、福沢殿と対面したことはあるが貴方を良く思わなかった者だ。だが、話さなければならない用事ができてしまった。話を聞いてくれるか。」

「すまない、俺を良く思って無い者など星の数ほど居る身だ。名前を。」

「渋沢栄一だ、いくつか会社を営んでいる。以前そちら方は此処の場所を私から買われていかれた。」

ここまで自己紹介して断られたりしたら面が立たないし、何より教え子に申し訳がない。
話の分かる男であってくれ、福沢殿。福沢様。



「わかった中で話を聞こう」
足音が聞こえ、眼前の扉が内に開いた。
中の男の表情は逆光であるためか彼のほうが身長が高いためかよく見えない。
逆光のせいに決まってる。
それしか信じない。

「渋沢栄一、殿。噂はかねがね。」

「それはいやな噂であろうか」

「少なくとも看板を下ろすことになるような噂ではない」

「それならば良かった」




中へ入ると読んでいたのであろう、書物と眼鏡が机上に置いてある。
勤勉であるのは相変わらずのようだ。

七話→←五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミヤモトきのこ x他1人 | 作成日時:2016年11月11日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。