もう、遅いんだよ。【歌い手】

信用と不信用 ページ15

Aside




あの日から1夜明け、私は怠さの塊で起きた。ミミにご飯をやったり、自分の朝ごはんと昼食の準備。慌ただしい朝で昨日の事は考えなかった。鍵を閉めてタクシーに乗り込む。そこで1度、落ち着かせた。






『六本木の△〇□までお願いします。』






六本木に着くまでの間、ZEROのTwitterを見ていた。昨日、あったことを変に呟いていないか気になっていたのでこの時間を利用して漁っていた。目を通すも怪しい発言はしていなかったので安堵のため息が零れる。体が怠く、事務所についても足の重みが消えなかった。昨日で皆に嫌われたかもしれない。何度、違うと言っても不信用で終わってしまった。


今日は、又、事務所総出でやる大規模なLIVEの打ち合わせ。セトリとかキメる大切な打ち合わせなのだ。事務所の中に入ると、エントランスの休憩所で屯っている“そらまふうらさか”が居た。







『おはよう』


『･･････。』







一応礼儀として挨拶をしたものの、死んだ魚の目で見下ろされた。そのまま、挨拶は返されず私の横を4人は通り過ぎた。まふなら返してくれるかもしれないと期待した私が馬鹿だった。朝から憂鬱なままロッカー室に向かうと私のロッカーに何か入れようとしている裕太君を見つけた。







『なんで、鍵空いてるの？昨日閉めて帰ったはずよ？ここに鍵があるから・・・まさか？！』


『こ、これは違うんです！！』








私は、自分のロッカーに入れられたみんなのスマホを取り出した。昨日の仕業は裕太君が仕組んだの？








『どいうこと！！ちゃんと説明しなさい！』


『何してるんだ!!』








後ろから、そらるさんが声を荒らげた。その第一声にビビってみんなの携帯を床に落ちてしまった。幸いどれもヒビが入っていなく拾いあげようとすると誰かに肩を思いっきり取られて、勢いよく尻もちを着いた。目の前には腕を組んだそらるさんや浦島坂田船のみんな葉月さんやまふ。luzくんや天月くんが居た。その威圧にとても怯えた。








『昨日来たばかりの後輩に何をいびらせてたんだ？』


『いびらせなんか無い！ただ、裕太くんが私がここに来た時にみんなのスマホを私のロッカーに閉まってたのを発見して、説明しなさいって言っただけよ！』


『昨日も今日と言いAliceは何がしたいのか俺には分からん。』


『泥棒は歌い手なんか辞めちまえ！』


『そうだ！そうだ！』


『ちが、違う！私なんかじゃない・・・』

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