風の終着点 ページ3
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公安警察として配属されてから、実にさまざまなことがあった。
ひどく傷つき、憤ったこともある。仲間を失ったこともある。立てた手柄を丸ごと他の部署に譲ったこともある。
――降谷零という男を、疑ったことも、ある。
組織の壊滅という悲願を達成した今、それらがすべて報われたかと問われれば、頷くことは出来ないだろう。しかし、かつて恐れていた降谷という男を真っ直ぐに見つめることは出来た。
「いえ、こちらこそありがとうこざいます」
そこで、風見は本来の用事を思い出した。
「それはそうと、秋葉さん。お客さんが……」
秋葉が病室に戻っているかを確認しようとしたとき、部屋の前でちょうど女性と鉢合わせたのだった。彼女の知り合いかと尋ねたところ、友人だと答えたので、彼女を呼びに来た次第だった。
「私に？」
「ええ、白澤香さんとおっしゃる方なのですが」
少し考えると、彼女は頷いた。
「ああ……その人は私の客人のようだ。ありがとう、風見」
そう答えて降谷に向き直り、名残惜しむかのように彼の顔を見た。
「じゃあ、また明日」
「ああ、またな」
病室の前に戻ると、若い女性が姿勢よく立っていた。
「怪我をしたと聞いて……」
「ああ、来てくれてありがとう」
風見を見ると、彼は含みのある目線に軽く頷いて、その場から立ち去った。それから彼女を部屋に招き入れ、自分はベッドに体を戻す。
「……主に香草とスパイスを配合した白ワインは、何と呼ばれているかご存知ですか？ 『白』澤『香』さん」
尋ねれば、女性は不敵な笑みを浮かべ、黙ってこちらを見つめた。
「英語では
「こんにちは、ベルモット。来てくださって光栄です」
そう言って会釈をすると、女性はつけていた変装マスクを、顎の下あたりからビリリと一気に剥がしてしまった。マスクの下からは、豊かな銀髪と彫りの深い顔立ちが露になっている。
「相変わらず、鋭いわね」
「ご冗談を。わざと分かりやすい偽名を使ったのでしょう？」
ベルモットは手近にあった椅子に腰を下ろし、その長い脚を優雅に組んでみせた。
「まだ
秋葉は半ばため息混じりに続ける。
「ご用件は何でしょう。あなたのエンジェルとシルバーブレッドは無事ですよ」
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作者の勝手な裏設定
降谷さんはクールで言葉足らず気味。
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長谷夏子(プロフ) - 笑福さん» コメントありがとうございます。とても励みになります。結末に向けてラストスパートをかけていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 (2018年11月10日 16時) (
レス) id: 19bd7edd69 (このIDを非表示/違反報告)
笑福(プロフ) - 再びコメント失礼致します。やはり長谷さんの書く小説は引き込まれる内容でとても面白いです!続き頑張ってください。最後までお付き合いします\( *´ω`* )/ (2018年11月10日 14時) (レス) id: ada93b3781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長谷夏子 | 作成日時：2018年10月18日 19時
