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恋の歌 弐 ページ3

その夜、夢を見た。

人に言えないほど恥ずかしい、
けど、幸せな夢。

あぁ、これが古代だったなら。
奈良時代、平安時代だったなら、私の夢に花宮君が出てくるということは、花宮君が私を好き、ということになるのに。









____夢と知りせば覚めざらましを









ふと、和歌のフレーズが浮かんだ。
あぁこれは小野小町の。

夢と知っていたなら目を覚まさなかったのに。

夢と知っていたなら、ね。

花宮君と私が同じ画面に並んでいる時点で、それは夢でしかあり得ないんだ。

だけど確実に夢の中の私は、現実と思っていた。

そんなことあるわけないのにね。
自意識過剰かもしれない。

生徒会で、頭がすこぶる良くて、バスケ部でも監督もキャプテンもやってて、何でもこなせる天才。

悪童、なんて呼ばれてるらしいけれど私はそれの真意はわからない。

でも、少しだけ、前に見てしまった彼の裏の顔。
部員と話している時を偶然見かけた時。

潰す、とか、再起不能、とか。
そういう言葉が飛び交っていたことを覚えている。
クラスでは愛想が良くて明るくて先生からも好かれている花宮君だったからそんな言葉を使うんだ、と少し驚いた。
でも、あの時の私はわりかし冷静で、花宮君も大変なんだなぁ、なんて思っていた気もする。









彼を好きになったのは1年生の夏だった。
夏休み中の本の貸し出しのために図書委員の私が学校の図書室で本を読んでいる時。

夏休み中の本の貸し出し、なんて言うけど実際夏休み中に図書室を使う人はいない。
3年生は補習の終わった午後から使う人は多少いるぐらいで。

誰もいないんだけど、クーラーが効いていて、本に囲まれているこの空間が、私にとってはささやかな幸せで、図書委員の仕事がある日を少しだけ楽しみにしていた。

いつも誰もこない、というのが当たり前で、いつも通り私は本を読んで時間を潰していた。

本の世界に没頭してしまうと周りが見えなくなるのは読書好きの常識。

誰も来るわけないって思っていたから、話しかけられたことに気が付かなかった。

何回か話しかけたらしい。
反応を示さない私の肩を少し叩いた。

それが花宮君。

ごめんなさい、と急いで謝ったけれど、彼は怒るそぶりも見せず、「読書好きなんだね」と笑いかけてくれた。









_____初恋だった。

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設定タグ:黒子のバスケ , 花宮真 , 黒バス   
作品ジャンル:アニメ
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JACK(プロフ) - ロザリーさん» ありがとうございます!!!黒バスはアニメも漫画も終わってしまって思い出しながら調べながらやっていて更新が遅れています。すみません…絶対に停止はしないので今後ともよろしくお願いします!! (2017年9月27日 22時) (レス) id: 57fecd335a (このIDを非表示/違反報告)
ロザリー - めっちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2017年9月27日 21時) (レス) id: 8b55956d35 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - 黒龍っちさん» わぁあコメントありがとうございます!!とても嬉しいです!!黒バスは少し前に終わったので書くの難しいですが頑張ります!ありがとうございました!! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 8f79e7693a (このIDを非表示/違反報告)
黒龍っち(プロフ) - すっごく面白いです!更新頑張って下さい! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 1d4387f259 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:JACK | 作者ホームページ:ないでござる  
作成日時:2017年7月1日 22時

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