待ってる。 ページ4
「じゃあな」
死柄木弔は名前だけ聞いて私の前から去ろうとしている。
ダメよ。そんなの嫌。行かないで。
久しぶりにこんなに気分がいいんだもの。
背を向ける彼を私は呼び止めた。
「…なんだ？」
「…アタシを…あなたのそばに置いて」
「はぁ？」
理解不能といったような表情をされる。
ついさっき会ったばかりの餓鬼にそんな風に言われても、というような感じだろう。
でも。
それでも、でも、けど。だって。
勘付かれてはいけない。
だけど置いてほしい。
「アタシの個性は毒よ。個性としては地味だけど、どんな毒でも製作可能だしアタシ自身どんな毒を受けても効かないの。それから戦闘にも自信はあるわ。ねえお願いよ、きっとあなたの役に立つわ」
必死さがばれてしまっているかもしれない。
それでも自分をどうにかアピールする。
必要と思われないといけない。
必要とされなきゃ置いてもらえない。
もっとあなたのそばにいたい。
もっとあなたのことが知りたい。
「…お前、この近くの中学校の学生だろ…」
彼は背を向けてそう言った。表情は見えない。
「…そう、よ…やっぱりこんな餓鬼は嫌かしら」
「…餓鬼は嫌いだけど、お前は妙に餓鬼っぽさがしないな」
ゾクっとした。これは気持ちのいい悪寒。
「いいよ。お前がその中学を卒業したその日。また同じ時間にここに来い。そしたら迎えにきてやる」
ニヤリとしながら彼は首だけで振り返った。
澄んだ空気と沈んでいく夕日と彼の紅い瞳。
不気味なほど美しい。
あぁ手に入れたい。
欲しい。欲しい。欲しい。欲しい欲しい！
あなたのことが好きなのね。きっとそうだわ。
「は…ぁ…」
彼の言葉が、存在が身体中に電撃を走らせる。
そんな中どうにかして発したのは一言。
「…待って、る…」
どんな顔をしていただろう。
ばれてもいい、置いてもらえるなら。
死柄木弔は最後にこう言った。
「…待ってる」
それから黒い何かに包まれ、見えなくなった。
待ってるって言った。
私を待っててくれるの？
私があなたのそばにいられるようになるまで私のことを考えててくれるの？
嬉しい。
顔がにやける。本当に久しぶりの快感。感情。
初恋の男とは違う、とっても恐くて素敵な人。
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JACK(プロフ) - 梨杏@ウオタミさん» コメントありがとうございます！！夢主との関係上個人的には20〜22あたりまでであってほしいと思っています！頑張りますありがとうございます！ (2017年6月10日 20時) (
レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
梨杏@ウオタミ(プロフ) - 弔さんの年齢気になりますよね！！更新頑張ってください！待ってます。 (2017年6月10日 19時) (レス) id: 91efdc15d9 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - RYEHLさん» ありがとうございます！その言葉すごく嬉しいです！！これからもよろしくお願いします！！ (2017年6月4日 17時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
RYEHL(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください(￣▽￣) (2017年6月4日 17時) (レス) id: 6917c8daac (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - あのちゃむさん» ありがとうございます。弔さん口調が定まりませんが頑張ります！ (2017年6月3日 18時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
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