悪魔の天使。 ページ13
朝。
5時ごろに起きる習慣がついているアタシは、光が差し込まないこの部屋でも定時に起きた。
「っ…いったぁ…」
頭を押さえる。
これが2日酔いというやつか…
ちょっと待ってよ。アルコールは毒素じゃないの?
アタシの体内に毒素として蓄積されるはずじゃ?
頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。
自分の個性をちゃんと把握していなかった。
どうにか考えて出てきたこじつけ。
"アルコールは薬としても使われ毒という定義ではないため摂取のしすぎでの身体への異常は自分の個性では防げない"
きっとそうね。
勝手に決めつける。
人生にはそういうことも必要よ。
部屋を出て長い廊下を歩く。
探り探り行きながら、やっとあのバーのドアを見つけた。
ドアを開けてみるが誰もいない。
と思ったらどこからか寝息が聞こえる。
少し探してどこから聞こえているのかわかった。
ソファにある黒い大きな物体。
規則的な呼吸と一緒に上下している。
ペラっと黒い布をめくると癖っ毛のグレーの頭が現れた。
「…死柄木弔っ…!」
昨日のことを思い出してひどく顔が熱くなる。
けれどもう一度彼の素顔をまじまじと見ると結構な美形であることを再確認できた。
病弱そうな細い身体とガサガサの唇、飛び出そうな真っ赤な目玉。
その悪役的要素が相まって彼の妖艶な美しさを一層引き立たせる。
昨日の妖しい笑みはそこには無く、何も考えていないこの寝顔はとても無邪気な感じがした。
こんな言葉普段は好まないけれど、天使のようだった。
そっと彼の頰に指で触れる。
「綺麗…」
うっとりしてしまうほどの美しさ。
魅了される恐ろしさ。
現代っ子の言い方で言えばギャップ萌えってやつ?
アタシにはこんな言葉似合わないって思って笑えてきた。
スースーと寝息を立てる彼のことをしばらく眺めていると
「死柄木弔、起きていますか」
と黒霧が入ってきた。
しかし寝ている死柄木弔とそれを見ているアタシを交互に見て頷き
「おや…お邪魔をしてしまいましたか。では」
と出て行こうとした。
「あっちょっと…いいのよ別にそんなんじゃないのねえ黒霧さん死柄木弔に用事があったんでしょう?じゃあそっちを優先して」
焦ってしまった。
黒霧は頷いて
「起きてください死柄木弔。死柄木弔!」
「…ん…うるさっ…なんだよ…」
死柄木弔は頭を掻きながらムクっと起き上がった。
「…雄英への襲撃をいつにするか、決めましょう」
死柄木弔は黒霧の言葉に顔を上げた。
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JACK(プロフ) - 梨杏@ウオタミさん» コメントありがとうございます!!夢主との関係上個人的には20〜22あたりまでであってほしいと思っています!頑張りますありがとうございます! (2017年6月10日 20時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
梨杏@ウオタミ(プロフ) - 弔さんの年齢気になりますよね!!更新頑張ってください!待ってます。 (2017年6月10日 19時) (レス) id: 91efdc15d9 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - RYEHLさん» ありがとうございます!その言葉すごく嬉しいです!!これからもよろしくお願いします!! (2017年6月4日 17時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
RYEHL(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください( ̄▽ ̄) (2017年6月4日 17時) (レス) id: 6917c8daac (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - あのちゃむさん» ありがとうございます。弔さん口調が定まりませんが頑張ります! (2017年6月3日 18時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
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