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あなたと。 ページ11

アタシは酔ってバーのカウンターに突っ伏してしまっていた。

それを呆れたように笑う死柄木弔。

「こいうところはまだガキか…そもそもガキは酒これだけ飲んだりしないけど」

うぅ…と呻きながら、アタシはゆっくりと身体を起こす。

「…気分が…悪い…」

気持ち悪い。頭を押さえながら立ち上がった。


つもりだった。

立ち上がって椅子から降りたはいいが、降りた瞬間そのままその場にしゃがみ込んでしまった。

目の前が霞んでいる。

「…たく…仕方ないなァ…」

ぼーっとして座っているアタシの腕を強引に引っ張ってそのままヒョイと持ち上げた。

一気にふわっと浮き上がる感覚に酔いも加わって吐きそうになる。

「…え?」

気づくと死柄木弔の腕の中。
見上げると彼の顔。

ドクンと鼓動が高鳴るが意識が朦朧としている方が勝ってしまっていて、彼に運ばれるまま身を任せた。

長い廊下を歩いているようだ。

その間はずっと無言で。

どこかの部屋のドアを開けてアタシをベッドに寝かせた。
いや、寝かせ方が乱暴で、ベッドからボスっと音がして投げ出された、に近い置かれ方をした。

ここはどこだろうか。

ぼんやりとしていて周りが見えない。

死柄木弔はベッドの横でじっとアタシを見ていたが、いきなり視界が暗くなったかと思うと死柄木弔の顔がすぐそこにあった。

「…っ!?」

狼狽する。
気分は相変わらず悪いが高揚してしまう。

「ここは誰もこない」

恐怖しろ。とでも言うようにニタァと笑う。
口が裂けたような笑みだがアタシにはすごく美しく見える。

意識が朦朧として状況判断力すらない。
そのせいだろうか。
アルコールのせいにしていいと決めつける。

アタシは死柄木弔の顔に手を伸ばし

自分の唇を

彼の乾いて裂けた唇にゆっくり重ねた。


「…!?」

「ん…」

彼が何を意図してアタシを押し倒すような形で近づいたかはわからない。
でも、そんな風にしてきたあなたのせいよ、死柄木弔。

離したくない。離れたくない。

興奮してしまって息がうまくいかない。

酔いがそうさせる。そう思いたい。

死柄木弔に怒られてしまうかしら。

血の味がする。
彼の切れた唇のせいだろう。



これ以上は。

アタシがもたないって思って離れた。

見上げた死柄木弔の頰は少しだけ染まっているようにも見えた。
嬉しい、と思いながら眠気に襲われて目を閉じた。






「…んっ」





死柄木弔がもう一度アタシの唇を塞いだ。

大切な日。→←火照り。



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設定タグ:ヒロアカ , 死柄木弔 , 僕のヒーローアカデミア   
作品ジャンル:アニメ
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JACK(プロフ) - 梨杏@ウオタミさん» コメントありがとうございます!!夢主との関係上個人的には20〜22あたりまでであってほしいと思っています!頑張りますありがとうございます! (2017年6月10日 20時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
梨杏@ウオタミ(プロフ) - 弔さんの年齢気になりますよね!!更新頑張ってください!待ってます。 (2017年6月10日 19時) (レス) id: 91efdc15d9 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - RYEHLさん» ありがとうございます!その言葉すごく嬉しいです!!これからもよろしくお願いします!! (2017年6月4日 17時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
RYEHL(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください( ̄▽ ̄) (2017年6月4日 17時) (レス) id: 6917c8daac (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - あのちゃむさん» ありがとうございます。弔さん口調が定まりませんが頑張ります! (2017年6月3日 18時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:JACK | 作者ホームページ:ないでござる  
作成日時:2017年5月31日 23時

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