俺の彼女が浮気した

三日目 ページ3

今日は二人は出掛けていった

男が彼女に引っ越しを勧めた。彼女はそれに答え、二人で不動産屋に行くらしい

俺になんの相談もなく、そんなことを決めてしまった彼女は少し抜けているところがあるらしい



でもそれに関しては俺は賛成だ

男が踏み入れたこの家に住み続けたくはない



手始めにイラナイモノは処分してしまおうか


男の服も靴も歯ブラシとシャンプーも

お揃いのマグカップも箸も

昨日男が彼女の髪を乾かす為に使ったドライヤーも男が彼女に腕枕をしながら使った枕も男が彼女にあ〜んをしたスプーンも全部全部





イラナイモノ







俺と彼女の生活にはイラナイ

彼女の人生にはイラナイ

俺の視界にはイラナイ





あの男のものをすべて消せば彼女は戻ってくるだろうか、俺のもとに帰ってきてくれるだろうか



いや、分からせてやらなければ

自分には煉獄杏寿郎しかいないのだと

彼女の心に、身体に、記憶に

全てに俺という存在を埋め込んで俺なしでは生きていけないくらいに






二人が帰ってきた

また俺はクローゼットに隠れる



すぐに彼女の悲鳴が聞こえてきた

嬉しいのか？それともやはり俺にバレてしまったことに怯えているのか？



安心しなさい、君には何もしない

君は悪くない、悪いのは全部その男だ



また男は被害者ヅラをして彼女の肩を抱く

泣きじゃくる彼女を慰めるように大丈夫、大丈夫と優しい声で囁いた

四日目→←二日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す