二人きりの部室で。【黒尾鉄朗】

１６回目の。 ページ16

貴女｢はぁ、男臭いなぁ｣






部室でいつも通り作業をしながらふと呟く








いや、いつも通りじゃないや









....黒尾がいない








さっきまで動かしてたペンを机に置き





ふと、当たり前のように並んでいる椅子をみる




ここはいつも黒尾が座って私を待っててくれる席で、








貴女｢....てつろう｣







ボソリと小さく呟いた








貴女｢バカがバカして風邪ひくとか馬鹿じゃん｣









ほんっとバカだ








貴女｢寂しいよ、会いたいよ

早く元気になって来いよ、


....てつろー、｣









そっと隣にある椅子を撫でた









....昨日の黒尾への怒りなど忘れて。









貴女｢....夜久に今日いけって言われたっけ、｣







もう暗い空






仕事も終わり








部室を出る準備をした









部屋には電気を消す音




そして今ドアを開ける音が鳴る









貴女｢はぁ、今日も色々あったなぁ｣







静かに呟き







高校生になって初めての一人の帰り道を想像する








なんか、寂しいな









｢ねぇ、いつもそんな遅いの？｣









ふと聞こえた声に振り返る






貴女｢え、｣







孤爪｢クロのとこ行くんでしょ？




夜久さんに頼まれたから




ほら、行くよ｣








貴女｢あ、うん｣







恐らく質問されそうなことを先に答えたであろう研磨









貴女｢待っててくれたんだね、ありがとう



....部室にいたら良かったのに｣







スタスタと足を進める研磨にいうと



研磨は立ち止まった







孤爪｢だめだよ、｣








貴女｢え？｣









孤爪｢....何でもない｣





またそっぽを向いて進む研磨








研磨はホントに何でも知ってそうで







私には少し読めない

１７回目の。→←１５回目の。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す