#29. 紫 side ページ29
昼間は仕事、夜、ようやく家に帰ってこれた。
ただいま、と中に入ると大先生は床で寝てるし、ゾムさんとエミさんは椅子に座ってピザ食ってるし。
トントンさんはAと談笑、その横には大きな出前の寿司
『あ、ショッピおかえり』
「ああ…ただいま」
『大先生が奢ってくれてん』
「あ、そうなんや、良かった。」
と、軽く会話をしていると嗅ぎ覚えのある匂い。
甘く、バニラのような。
匂いの元を辿っていくと、Aの服からの様だった。
服を引っ張り、鼻を近づける
『どないしてん、』
「…俺のタバコの匂いがすんねんけど」
『え?タバコ吸ってたん?』
「…外では吸ってたけど家で吸ったことないで。
なんやねん、この匂い」
1度手を離し、胸ぐらを掴み直す。
俺は教えた覚えもないし、買ってあげた覚えもない。今この場に吸殻もないし、…けど俺は自分のタバコをポケットに入れているし。
掴まれているAは、最初出会った時と同じような目付きで俺を睨む。
掴むな、引っ張るな、とか言いたいんだろう。
ふと周りを見ると、大先生とエミさんが明らかに目線を逸らしている
トントンさんも少しばかり合わせようとしてないことに気付いた。
「3人は何か知ってるんちゃうの」
「へ、え?なんのことかな、」
「あ…ぅ、し、知らへんよ、」
「ショッピくんの思い過ごしちゃうん?Aは吸ってへんし、外も出てへんよ、」
俺が問いかけると分かりやすく焦り、Aを擁護している。
「ぶち壊す様で悪いんやけどさー」
1人、俺は関与してませんよと言う顔をしながらピザを食べていたゾムさん。
口を開くと俺を見た
「俺が夕方帰って来た後、大先生とエミさんと依兎瀬で下の喫煙所行ってたで」
「何裏切っとんねんゾム!!」
「ほーん、やっぱ行ってたんか。タバコ吸いに外に。出るなって何回俺言った?」
『知らんがな、束縛激しいねん。喫煙所くらい行ってもええやん』
「なに急に開き直ってんねん、偉ないぞ」
バレると舌打ちをしながら開き直るA
久しぶりにこんな反抗的なAを見た。ほんまひねくれ方は最初と変わってへん
「しょ、ショッピくん落ち着きや、な?」
「せやでショッピくん、なんでそんなタバコがアカンの?」
「…体に毒やん、タバコって。肺も悪くなるしなんか病気になったら嫌や」
『知らんし。寿命縮んではよ死んだ方がショッピも楽やろ。』
その言葉にカチンときて、俺は反対の手でAの頬を殴っていた。
155人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chara*doll_サブ(プロフ) - 宮さんのw.r.w.r.d.の作品が大好きです…💓 完結おめでとうございます!これからも応援してます!またいつか宮さんのd!の作品が見たいです…!✨🍀 (2021年11月12日 16時) (レス) @page41 id: 8350102349 (このIDを非表示/違反報告)
Ok - ガチ泣きしてしまった (2021年11月8日 0時) (レス) @page38 id: f38258070c (このIDを非表示/違反報告)
つむ - 初めてですが、とってもおもしろかったですー。お身体に気をつけて、更新頑張ってください! (2021年10月14日 14時) (レス) id: c4476d5627 (このIDを非表示/違反報告)
はくまい(プロフ) - 何某さんのd小説待ちわびてました〜!!!今回も凄い面白いです、ありがとうございます😭😭😭 (2021年10月13日 18時) (レス) @page5 id: 5573920f77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宮 x他1人 | 作成日時:2021年10月13日 18時