【あんスタ】やまない雨などないのです。【裏切り】

手をあげて ページ18

真白友也side

俺は、無我夢中で走っていた。

＿もっとみんなから苛められなさいよ！もっと罵られなさいよ！＿

見てしまった。見てしまった。
藤堂先輩の本性を。

藤堂先輩の言うことを鵜呑みにして。どれが真実かを見分けることもできなくて。
A先輩とあんず先輩は、悪くなかったんだ。

「騙されてたんだッ…俺たちは…!」

悔しくて、悔しくて、堪らない。

思えば、A先輩がそんなことするわけ無かった。少し考えれば分かることだった。

＿友也くん、友也くん!!!!!
＿何ですか
＿今度は演劇部全員女装しよ!?それならフェアでしょ?君は大好きなホッケーの女装も見れて、私は友也くんと渉の女装を見れるんだから！
＿もうしねぇよ!!てかそれアンタがただ単に見たいだけだろ!?

…この前交わした会話を思い出す。A先輩との、会話。

＿友也くん
＿はい
＿昨日も言いましたけど、そこのステップずれてる。ちゃんと皆と合わせて。出来ないの?
＿…本当に容赦ないですよね…毒舌で辛辣…
＿A先輩とする会話よりはマシな会話だと思ったんだけど…あの人とは本当に会話にならないから…

あんず先輩との、会話。

あぁ、ここで、二人は悪くないって皆に言えたらどれだけ良かったか。
…この状況の中で、そんなことを言える勇気なんて、俺にはない。

みんなみんな、藤堂先輩の味方で。



「＿ごめんなさい」

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