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嗚呼、遂に一人だけ。

少し前まであんなに騒がしく感じた教室も今はただただ静まり返っている。


「……寂しくなっちゃったじゃん。」


長屋にいても暇だし、教室で勉強してようかと思ったのだけれど、全く捗らない。


「……。」

外の空気でも吸おうと窓を開けると、忍たま四年のタカ丸さんが下級生の子たちに追いかけられてるのが見えた。


「……はぁ、大変そう。」


喜んでも良いような状況なのにタカ丸さんは冷や汗なんて垂らしながら全速力で逃げている。


違う方向を見れば、タカ丸さんと同じ忍たま四年の制服を着たタッキーとミキティが得意武器を手に言い争いをしていた。


……そういえば、あたしと同じ五年で忍たまにすごい武器を使う奴がいるって聞いたなぁ。

何て武器だったかな……瓢刀だっけ…。



「…おや先輩! もしかして今私のことを見てらしたんですか? やっぱりそうですよねぇ、この三木エ門なんかより私を見ますよねぇ其処は! 流石くのいち教室五年生ともあろう先輩は目が肥えていらっしゃる! そう言えばこの間も、グダグダグダ……」

「はー!? 何言ってるんだよ滝夜叉丸!! 先輩はお前みたいな奴なんかより私と私の愛するユリコを見ていたんだ! 大体お前、その時の実習で守一郎に助けられてただろーッ!?」


静かだった教室にぎゃんぎゃんと響く二人の大きな声。

あの騒がしさが帰ってきたみたいで寂しかった心が少しずつ、少しずつ、埋められていく様な感覚を覚えた。


あぁ、でもやっぱり、

「あのね、二人とも。」


「先輩! どうぞ言ってやってくださいこの三木エ門の阿呆に!!」

「はぁ!? 何言ってるんだよ阿呆は滝夜叉丸だ!! ユリコもそう言ってる! ねっ、先輩!」



「ううん、あのね……どっちもうるさいから。あたしはタカ丸さんを見てたの。じゃあね。」


そう言って開いていた窓をもう一度閉める。

教室には先程の静けさが帰ってきた。


「……さ、勉強だ勉強。」


窓の外では二人が“お前のせいで怒られた”だとか、また騒がしい言い合いをしているけれど、不思議と“もう一度言ってやろうか”という気は起きて来なかった。

ろ→



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obipurei(プロフ) - おもしろいです、続きが気になります!! (2020年2月22日 2時) (レス) id: 186218a2f3 (このIDを非表示/違反報告)
光01(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!!! (2019年1月13日 8時) (レス) id: 55201a4f37 (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - 最高!!更新頑張って下さい! (2018年11月26日 2時) (レス) id: 63a569be48 (このIDを非表示/違反報告)
VG10(プロフ) - タイトルにつられてきました(。-`ω-)面白いです!更新頑張ってください!(*´▽`*) (2018年5月6日 18時) (レス) id: ca990874aa (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - すみません、むにさんm(_ _)mもしかしたらオリジナルフラグ外してないかもしれません…… (2018年5月6日 16時) (レス) id: 833653a4c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むに | 作成日時:2018年5月6日 16時

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