38話 ページ40
『え……』
山崎さんが突然放った言葉と、こちらに向かって差し出された右手。脳の処理が一瞬遅れて、目をぱちくりと瞬きさせました。きっと今の私は、とても間抜けな顔をしている事でしょう。
友達? 山崎さんと私が、お友達になる?
「嫌だったら断ってくれても……」
『い、いいえ、そんな事ないですっ、お、お願いします!』
残念そうに降ろされそうになった右手を、急いで両手でガシリと掴みました。物凄い勢いで掴んでしまったせいか、どうやら驚かせてしまったようで……山崎さんの肩がびくりと跳ねました。
『も、申し訳ありません……その、今まで言われた事がなかったので、嬉しくてつい』
「な、何だ……良かった、てっきり拒否されちゃったかと思いましたよ。それじゃ、友人としてよろしくお願いしますね!」
なんて、嬉しそうに微笑んで言う彼。私の……友人。なんと良い響きなのでしょう。
友人と言えば名前呼びやあだ名呼びですが、まだ会ったばかりで恥ずかしいというのもあり、私はしばらく名字呼びにさせてもらう事に。
「じゃあ俺はAさんって呼んでも良いかな?」
『は、はい! 好きに呼んで下さって構いません』
「分かった。……あっ、話の腰を折っちゃってごめんね! まだ屯所内ぐるっと回れてないし、早く行こうか、Aさん」
『はいっ、お願いします』
友人……ともだち。ふふ、とっても素敵な響きですね。
こんな年にも関わらず、心はまるで少年少女のような。寺子屋で初めて友達ができてはしゃぐような、そんな気分になってしまいます。
「で、ここが医務室……Aさん、おーい、Aさん?」
『え!? あ、ご、ごめんなさい……ちょっと浮かれてしまっていました』
「あはは、喜んで頂けて何よりだよ。でも、話はちゃんと聞いてね?」
『は、はい……申し訳ありません』
私ったら、もういい大人なのにこんなにはしゃいでしまって……恥ずかしいです。
その後もお喋りをしつつ、すれ違った隊員さん達にご挨拶しつつ、屯所内を巡りました。終着点として食堂の厨房まで送って下さいました。しかも丁度5分前です。
山崎さんに別れを告げてから軽い足取りで準備をしていると、中山さんに「何か良い事でもあったのかい?」と聞かれてしまいました。少なくとも、今日のうちはこの嬉しさを隠す事は出来なさそうです。
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復活のU(うp主)(プロフ) - これ桂さんオチの夢小説だけど、他キャラとの裏短編集とか作りたいとかぼちぼち思ってます。決して上手くはないんだけど、助平だから裏要素満点なの書きたくなっちゃう。 (2017年8月31日 23時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
復活のU(うp主)(プロフ) - セルフツッコミしてしまいますが、春雨初登場時ってエリザベスいなかった気がする……ご都合主義という事で、多少の原作との食い違いなどはスルーして下さると嬉しいです(汗)これからもよろしくお願い致します。 (2017年8月28日 14時) (レス) id: c4fae3913d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うp主@
作成日時:2017年8月19日 23時