【銀魂 夢小説】訳アリ人妻は拾われる。【桂小太郎寄り・微逆ハー】

21話 ページ22

「(人1)さん、今日もう上がって良いよ」

『ありがとうございます。お疲れ様でした、お先に失礼致します』



チーフからそう言われたので、お言葉に甘えて今日は退社させてもらう事になりました。ところで、(人1)って誰だと思ったのではないのでしょうか。これは私の偽名です。

攘夷志士は世間では犯罪者扱いですから、身分を隠す必要があるそうです。その為に、偽名を使って面接を受けたのです。

ちなみに、桂さんが私の偽名用の身分証明証を作って下さいました。犯罪なのは分かっています。

しかし桂さんについていくと決めましたし、素直に本名で行くと足取りが掴めてしまいますので。

ロッカールームで着替えを終え、荷物を纏めて出て行きました。



『……？』



何やら店内が少し騒がしいような気がします。中にはそそくさと店内から出てくるお客様も。

少し気になったので、今しがたお店から出てきたお方に声を掛けました。



『あの、すみません。一体中で何が？』

「あ、ああ、客が春雨の連中と揉めたらしくてよ……嬢ちゃんも巻き込まれんように、さっさと行った方が良いぞ」



春雨!?

まさか、桂さんの言っていたあの犯罪シンジゲートとやらの春雨でしょうか。しかもお客様と揉め事とは……銀さん達は巻き込まれていないでしょうか。

気になったので、お店の裏口付近の壁に隠れながら様子を伺う事にしました。

少し経つと、裏口から数人の天人が出てきました。何やら誰か連れているようですが──。



『……!! 新八さんに神楽さん!?』



天人達に連れられた、見覚えのある二人組。枷を付けられて手を封じられている新八さんと神楽さんがいました。

待って、そしたら銀さんは？ 銀さんは一体？ わ、私は一体どうしたら……そうだ、桂さんの元に……！

混乱している頭では碌に物事を考える事ができませんが、そんな脳でも自分一人で助けに行こうだなんて愚考には至りませんでした。

逃げ出すようにその場を後にし、桂さんに知らせるべく彼の待つ拠点へと走りました。

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