ひまわり畑で捕まえて 7 ページ21
「ショウ君、これ以上彼女に迷惑をかけるのはよくないよ」
(そうそう、少しの間だけって約束だったんだから)
が、依然としてショウは私を抱きしめたまま離れようとしない
「嫌だ、俺はここにいる」
ショウが私の背中に顔を埋める感覚がした
かわいいんだかめんどくさいんだか…
「ショウ君、まさか父親との約束を忘れたわけじゃないだろ?」
「父親」という言葉に反応し、ショウはびくりと体を震わせるとより一層強く私を抱きしめた
ショウの家は父親が厳しいのだろうか
もしそうならしつけの方向性がだいぶ間違っているのでは…
仕方ない、ここは大人の私が譲歩するか
「ショウ、またいつでも来ていいから」
できるだけ顔を後ろに回して言う
するとショウは私の背中から顔をあげ、「マジで!?」と嬉しそうに言う
マジだから少し腕の力を抜いてほしい…
「だからあんまり島崎さんに迷惑かけるんじゃないの!」
やっと私から離れたショウに人差し指を立て説教する
もし、ショウの世話を毎日してるとなると島崎さんのストレスは計りしれない…
そう思い島崎さんの方を見ると島崎さんは「迷惑をかけてすみません」とショウの頭に手を置きながら言った
「じゃ、ショウ君行こうか」
「じゃあな、A!!
また来るからなー!」
はいはい、と手を振り答える
もうとっくに暗くなった夜道では彼らの姿はすぐに見えなくなった
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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時