脇役女子が主人公 (ページ29)

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USJ ページ29

「よかった…」

「妖花」

力が抜けてふらっとした私を支えてくれた瀬呂くん。
いや、本当怖かった…

「ごめん、力抜けた」

私なんて轟くんのおかげで無事だった…轟くんに守られてたようなもの。

それでも初めて目の前にした敵は怖かった。

「この距離で捕獲可能なやつは…」

「僕だ…！！！」

ボロボロの13号先生が個性で吸い込もうとする。
でも黒いモヤが敵を包み込んで消えてしまった。

「逃げられた…」

あの黒いモヤ…ワープ？

「なんてこった…」

「これだけ派手に侵入されて逃げられちゃうなんて…」

「完全に虚をつかれたね…それより今は生徒らの安否確認さ」

私たちは一箇所に集められた。
他の所に居たクラスメイトたちも先生たちに連れて来られて徐々に集まる。

「響香、八百万さん…！無事で良かった」

「妖花さんもご無事で何よりですわ」

ふたりを見て思わず抱きついた。
良かった、本当…

「ほぼ全員無事か」

デクが両足骨折。
それ以外みんな擦り傷程度はあるものの無事だった。

デクの骨折が心配だけど、みんな生きてた。

「…電気なんでアホみたいな顔してるの？」

「うぇい」

「個性使いすぎるとアホになるんだって」

個性強いのに…あれだね。
ちょっとダサい。

「一旦教室に戻るらしいですわ」

そう言われてUSJを後にした。
みんな最初は何があったとかどうなったとか色々話してたけど、だんだん口数が減っていく。

悔しい、怖い、これがプロの日常。

色々な感情が込み上げてきた。

夕日の照らす廊下を歩きながら考えてた。

私の個性をもっと強く。