脇役女子が主人公 (ページ16)

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戦闘訓練ページ16

「よろしく、轟くん」

場所を移して第二戦…私たちの番。
相手は透ちゃんと尾白くん。

やっぱ話しかけても目線を私に向けるだけ。

「作戦どうしよっか」

「外出てろ危ねえから」

建物内に入るなりそう言われた。
壁に手をついた轟くん。

「向こうは防戦のつもりだろうが…」

パキパキと音がして私が外に出た瞬間、ビルが氷で覆われた。

「俺には関係ない」

やっば、これ…私いらなかったじゃん。
ひとりで解決じゃん。

『ヒーローチームWIN！！』

ポカンと口を開けたままビルを見てると徐々に氷が溶けていった。

あ。あったかい…

「轟くんすごいね」

「…別に」

出て来た轟くんの隣を歩きながらモニタールームへ帰る。

「氷がぶわーってなったからびっくりした」

私はこの人のことあまり知らない。
でも、だから…気になる。

爆豪くんもだけど個性の使い方が上手い。

それに比べて私はだめだめ。

「轟くんのおかげで勝てた、ありがとう」

正直さっきの爆豪くんを見て怖かった。
こんなんじゃダメだけど安心してしまった。

悔しい、こんな気持ちになるのだめだ。

「ありがとうって顔してねえだろ」

「…ちょっと悔しい」

自分に対してすごく。
ヒーローになるんだったら"怖い"なんて感情捨てなきゃいけないなあ。

「あ、でも違うよ？轟くんに怒ってるとか、そんなんじゃないから」

素直にすごいと思う。
個性の使い方教えてほしいくらい。

「だから、じゃないけど…」

轟くんにとったら迷惑かもしれない。
でも言いたかった。

「仲良くして欲しいな」

轟くんの何かを憎んでるような目。
その理由も気になる。

「馴れ合う気はねえ」

普通に振られた。