シリーズ最初から読む | 作品のシリーズ [完結]
白いシーツに点滴。息が詰まるような薬品の匂い。飾り気のない入院着に身を包んだ少女は、ベッドに横たわったまま、ぼんやりと天井を見つめていた。
「……」
初めから全部、夢だった。
そもそも少女は、冬の早朝に交差点で倒れてなどいなかった。
目覚めてから聞かされた話では、どうも自分は三日前の実家の見合い話の途中で、いつものように意識を失ったらしい。
目の前に婚約者が居るのにも関わらず、ぐるぐると目を回して気絶した少女を、実家の連中はこの世の大罪を犯したと言わんばかりに叱責した。
しかし、そんなことは匙に過ぎない。
少女にとって重要なことは、信じ続けること。
彼を待ち続けること。
この三日間で書き溜めた手帳は、既に分厚くなっている。
腱鞘炎で、右手がズキズキと痛む。
……彼は言ったのだ。
焦った風に目を見開いて、きらきらと輝く銀髪を振り乱して。
少女の大好きな、真っ直ぐな雷鳴を轟かせて。
『ぜったいに迎えに行くから！待ってろ！
どんだけ時間がかかっても、必ずお前を――』
だから、少女は待たなければならない。
諦めを知らない彼の言葉だけは、どんなに現実味がなくても信じると決めたから。執筆状態：完結
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ささかま(プロフ) - 愛さん» 完結後に「ここが面白かった！」というご感想も含めたコメントをいただけるとは思っていませんでした。急激な驚きと喜びに溺れている最中です。この作品を「完結後も楽しめる作品」にしていただき、ありがとうございます。これからも楽しいアカセカ生活をお送りください (2021年10月10日 12時) (
レス) id: b0b2c550c2 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 長くなってしまいすみません！主人公の設定も公式とは全く正反対だったのでそこもとても面白く読めました！何よりとても詳しくこと細やかに書いてくださっていたので、凄く読み応えがありました！！本当に素敵な物語をありがとうございます (2021年10月10日 2時) (レス) id: b3ac7657c3 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 完結から時間が経ってしまっていますが、完結おめでとうございます！アカセカを2年ぶりにインストールしてハマってしまいこのアプリでダメ元で調べてみたのですが、このような神作品と出会えてよかったです！安倍さんのところまで来ると涙なしでは読めませんでした…！ (2021年10月10日 2時) (レス) @page31 id: b3ac7657c3 (このIDを非表示/違反報告)
ささかま(プロフ) - 夢女子さん» コメントありがとうございます。「面白く、素敵な作品」と言って頂けて、嬉しい気持ちでいっぱいです。こちらこそ、最後までお付き合い頂きありがとうございました(о´∀`о) (2021年6月8日 17時) (レス) id: b0b2c550c2 (このIDを非表示/違反報告)
夢女子(プロフ) - 完結おめでとうございます！完結までお疲れ様でした。面白く、素敵な作品をありがとうございました！ (2021年6月8日 17時) (レス) id: fcf47b40c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささかま | 作成日時：2021年5月1日 22時
