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生まれつき、彼は天才だった。
学問も好きだったし、運動もできる方だった。
知らないこと、やったことがないことも、少し習えばすらすらとできてしまうような人間だった。
周囲の人間が考えていることが分かった。
ほんの少し頭を働かせるだけで、何故その行動を取るのか手に取るように理解できた。
まるで、世界を司る神であるかのように。
「天才だ」
そう言われ、彼は様々な人にもてはやされた。
……嗚呼。
――【なんてつまらない！】
彼はそれを、非常に退屈に感じた。
当然のように分かってしまうことが、常識が、人間が。
そしてそれを含んで動いていく世界が。
彼を常に退屈させていた。
彼は退屈を紛らわせるため、非日常がもたらす刺激を求めた。
事件である。
「金と権力を巡る政治家達！名誉に地位！
それらをグロテスティックに彩る血！愛憎！絡み合う憎悪が生み出す不協和音！
勿論犠牲者が出ることは望んでいないけれど、謎がもたらす快感に勝るものがあるだろうか！
いや、ないッ！！」
「……」
江戸川乱歩。
次第に彼は、友人達から「変人」と呼ばれるようになった。執筆状態：続編あり(完結)
生まれつき、彼は天才だった。学問も好きだったし、運動もできる方だった。
知らないこと、やったことがないことも、少し習えばすらすらとできてしまうような人間だった。
周囲の人間が考えていることが分かった。
ほんの少し頭を働かせるだけで、何故その行動を取るのか手に取るように理解できた。
まるで、世界を司る神であるかのように。
「天才だ」
そう言われ、彼は様々な人にもてはやされた。
……嗚呼。
――【なんてつまらない！】
彼はそれを、非常に退屈に感じた。
当然のように分かってしまうことが、常識が、人間が。
そしてそれを含んで動いていく世界が。
彼を常に退屈させていた。
彼は退屈を紛らわせるため、非日常がもたらす刺激を求めた。
事件である。
「金と権力を巡る政治家達！名誉に地位！
それらをグロテスティックに彩る血！愛憎！絡み合う憎悪が生み出す不協和音！
勿論犠牲者が出ることは望んでいないけれど、謎がもたらす快感に勝るものがあるだろうか！
いや、ないッ！！」
「……」
江戸川乱歩。
次第に彼は、友人達から「変人」と呼ばれるようになった。執筆状態：続編あり(完結)
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作者名：ささかま | 作成日時：2020年5月23日 16時
