甘く蕩けるようなその瞳。(JM.) (ページ5)

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°˖ ページ5

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もう少しで防弾少年団の出番だ。
私を含むスタイリストさん達はメンバーの衣装や諸々の最終チェックを、スタッフさん達は音響等の確認を、それぞれ忙しなく行っていた。

近くに居るメンバーから順に一人一人、メイクやヘアセットが崩れていないか入念に確認していく。

そして最後にチェックをする相手は、……ジミンだ。

「ジミナ、最後にチェックしたいからこっちに来てくれる？」
「ん、わかった」

ぱたぱたと急ぎ足で私の元へジミンが駆け寄り、正面に立つ形で向き合ってくれる。
両の手を伸ばし、細かいセットの崩れを直している内に、とある事に気付いた。

───ジミン、身長高くなった？

学生の頃よりも明らかに、彼との目線が変わっている。
驚きを隠せず、その姿を見つめた。

メイクの映えた綺麗な表情と、カラコンにより妖艶さが増した視線に、どくり―――、と心臓が高鳴る。

何だろう、と小首を傾げて此方を見つめ返すジミン。
慌てて、何でもないという様に小さく首を振り、終わったよ、と添え頷いて見せた。
まじまじと眺めていたのがバレてしまったのだろうか。

それから落ち着きを無くしているのもお構い無しに出番はやってきた。

スタッフ全員でバックステージから出ていく彼らの姿を見送っていく。
メンバー達が見送る私たちに向け、手を振ったり笑ったりと答えてくれていた。
その中でもジミンとテヒョン、ジョングクはぴょんぴょんと飛び跳ねながら大きく手を振っていたり、愛らしい姿を見せつつ。

ばち、とジミンと目が合う。
満面の笑みと、また指ハートを向けられて。

そのままステージへと出演して行った。

―――どくん、どくん───、と。
呆然と立ち尽くす私の心臓は、暴れ出していた。