ANNIVERSARY 1 S×R

ANNIVERSARY7 ページ7

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しかしその結論に
気づくと同時に絶望した。


だって、廉がもう一度
俺のものになるなんてあり得ない。



アイツは俺と付き合って居た頃とは
別人のようにカッコよくなり、
いろんな意味で成長した。


絶対に上に行くんや！という強い意志で、
ダンス、歌、芝居、トーク、立ち居振る舞い等々
全ての分野で並々ならぬ努力をしていたのは知っている。


その努力は大きく実を結びはじめ、
多くの人間が廉の事を認め、
魅了されるようになった。



きっと廉は、
俺と付き合っていた日々なんて振り返る事もなく、
しっかりと将来を見据えて、
一歩一歩着実に進んで行っている。


俺が、廉の心に入り込む余地なんて、
きっと1ミリもないんだ・・・。








しかし、そんな絶望的な想いを抱えていた
プライベートとは裏腹に、
掴み取ったデビューの話。


今まで以上に密度の濃い時間を
メンバーと過ごしていく中で。


jr時代にいつも抱えていた不安がなくなり、
このメンバーでずっと一緒に居られるんだ、
という安心感が心の隙間を埋めてくれた。


廉ともう一度想いを通わせる事は出来なくても、
メンバーとして、仕事の大切なパートナーとして、人生を共に歩んで行く事が出来る。


恋人ではないけれど、
ずっと側に居ることは叶うんだ。


そう考えられるようになってからは
気持ちに余裕がうまれ、
少しずつ、プライベートでも普通に話したり、接したり出来るようになった。




燃えるような想いには蓋をして。

封印して。




良きメンバーとして、
何とかやっていけそうだな。






そう思っていた矢先ーー




あの姿を、目撃してしまった。




あの雑誌のインタビューで
付き合った記念日の事を話したのは、
ちょっとしたケジメのつもりだった。


2人しだけの大事な記念日を
インタビューで何でもない風にサラッと話す。

これにより、
自分の気持ちを封印しながらも、
廉と共にトップを目指して歩んで行くんだ、という意志を固めようという
自分なりのケジメ。


そんな想いで話したインタビュー内容がまさかのドンかぶりしていたのには驚いたが。




ーーあんなに、

切なそうに泣くなんてーー




自分の気持ちは封印して側に居ると
決めたばかりなのに、
つい都合のいい方に深読みしたくなってしまう。



ーーまさか、
俺の事まだ想ってくれてる、とか・・・



さすがにそれは、
ない。。。よな？



でも・・・。




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