ANNIVERSARY 1 S×R

ANNIVERSARY33 ページ34

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・・・なんだか一気に力が抜けた。




俺が長年悩んでいたのは
一体なんだったんだ。




コイツに常識は通用しないって知っていたはずなのに

今更また思い知らされる。




「廉が悩んでる事なんて、
大したことない事なんだよ。

これでもまだ、
俺と付き合えないとか言う？」


「うー・・・」


じっと覗き込まれて、言葉に詰まる。


なんだか1人で色々と考え込んでいたのがバカらしく思えてきて、
気まずさで顔を上げられない。





するとーーー



ふいに目の前が暗くなったかと思ったら。

唇に、柔らかな感触。



軽く押し付けられてから、ちゅっちゅっと啄まれ、唇はすぐに離れた。




そして耳元に唇を寄せられてーー




「俺のキス、嫌ではない、よな？」




紫耀のキスは甘くてドキ ドキして、
もちろん嫌ではない。

コクリ。頷く。




「俺のこと、好きだよな？」



これも、コクリ。



「じゃあ、俺と、付き合って」

「う・・・・////」


往生際の悪い俺は、
まだ即答を躊躇っているとーーー




「んで将来、結婚するぞ」




衝撃的な発言が飛び出した。



「け、け、け、結婚？！」



さすがにこれは
すんなりコクリとはいけない。

動揺してアタフタする俺を
真っ直ぐ見据えてーーー






「法的には無理かも知れないけど。

・・・それでも俺は一生、

廉と一緒に居たい」






「ーーー！！！」






全身に、熱い何かが

激しく駆け巡るような感覚。







今まで辛かった沢山の想いが、

一気に幸せなものへと昇華されていくようだ。







ここまで言われて、

もう、抗う必要など、何も無かった。






全身が、この目の前の男と一緒にいたい、と叫んでいる。






昂ぶる気持ちを落ち着かせるべく、
ふうっと息を吐く。






やっと覚悟が決まった。


長い間、遠回りしたけど、
やっと、本当に大事なものを掴みに行く勇気をもらえた。


ベッドの上にきっちりと座り直し、
真っ正面から向かい合って
愛しい瞳を捉える。





「・・・こんな俺で良ければ、

け、け、結婚、シテクダサイ・・・・」



やはりちょっと照れてしまい、
最後はカタコトになってしまった。




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