かくしごと ーKEIー

ｓｅｃｒｅｔ３４ ページ34

・





「………」






あれ？ もしかしてわかってない？？







月島さん司書さんだし、本たくさん読んでるだろうから
この言葉の意味も分かってくれるだろうと勝手に思い込んでたけど……







『あぁ、じゃあ』






彼女の手を引いて海が見えるところまで連れて行く







『海がきれいですね』







これは貴方に溺れていますって意味なんだけど………







「………」







絶対理解してないよ…、俺の運命の告白失敗だ…




司書の月島さんが相手だからって洒落た言葉を選んだけど、率直に伝えた方が良かったかも







・







『そろそろ21時になるし、帰ろうか』






顔が見られないように手を引いて強制的に帰ろうとする




足を踏み出したその時、






後ろから凄い勢いでシャツを引っ張られる


　このままだと破れる……








後ろを振り返ると、見たことないぐらい顔が真っ赤な月島さんがいて




　俺が動揺してしまう







「意味、私が知っているあの意味であってますか…？」







　コクリと頷くことしかできない




すると頭を抱えて座り込んでしまった






困らせちゃってる？
やっぱり山田のことが好きなのかな…







『無理しなくていいからね


好きでもなんでもなかったらハッキリ断ってほしい…』






　俺は待つことしかできない





勘が良ければ俺が月島さんのこと好きってことは気づくし、
ちょっと濁した言い方だけど想いは伝えた









立ち上がって近づいてくると、


俺の手をギュッと握った







「私の答えはもう決まってます」






　そんなハッキリ？



ちょっと怖いな… 急に心臓ドキドキしてきた





振られたらどうやってそのあと過ごせばいいんだろう







いろんな思いが複雑に頭の中で絡みあって苦しい



　早く返事を……







・








・







「私も慧さんのことが好きです」






真剣な瞳に見つめられ、気を抜いたら倒れてしまいそう



ぐっと堪える








『両想いってこと…？』




「はい………///言わせないでください！！」







嘘でしょ、、、、




実っちゃったよ………………







本当は今日告白するつもりはなかった。

長い時間かけてゆっくり距離を縮めていって告白しようと思ったのに





あんな嬉しそうな笑顔を見たら、気持ちを隠したままにできなくて思い切って告白した




　 報われて良かった……



安堵でその場に崩れ落ちた

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